約1万4000人から200人へ…山田孝之らが見つめた『THE OPEN CALL』2次審査に潜入!
さらに今回、2次審査には聴覚障害のある3人も参加した。制作側にとっても初めての試みだったといい、審査前には手話通訳を交え、通訳者がどこに立つのかなどを含めて念入りに打ち合わせが行われた。
最初に挑んだのは17歳の参加者。家族側を選択し、言葉を発することなく、手話と表情、息遣い、身振りで感情を表現した。交通事故に遭った大切な人について、当初は「大丈夫」と説明されていたにもかかわらず、手術後に危険な状態だと告げられるという設定だ。
『THE OPEN CALL ‐MAIN PARTNER 山田孝之‐』エピソード0より
1度目の芝居を終えると、榊原監督は「最初から危険な状態だった」という設定へ変更し、命が助かったことへの感謝をにじませてほしいとリクエスト。さらに山田も相手役の芝居について「もっとドライにした方が、感情的な芝居が出るような気がした」と提案する。普段は静かに審査を見つめていた山田が具体的な意見を口にしたことで、再び芝居が組み立て直されていった。
続く20代の参加者は、筆談を芝居に取り入れた。手にしたメモを介して医師とやり取りし、その紙の上で会話が展開していく。2度目には榊原監督から「患者は亡くなった」という大きな設定変更が。その言葉を受け、地団太を踏み、メモを破る。声を発しないからこそ、一つひとつの動きからあふれ出す感情が強烈に残った。
そして50代の参加者は、教育によって身につけた読唇術を用い、あえて手話を使わず言葉で演じることを選択。過去に医師とうまくコミュニケーションが取れなかった自身の経験を役へ重ねた。言葉は決して流暢ではない。それでも、だからこそ伝わる感情がある。榊原監督からさらに「悲しみを強く」と演出を受け、再び役と向き合っていった。
3人の審査を見届けた山田は、「通訳についてあまり考えたことがなかった」と新たな気づきを口にした。例えば自身が理解できない外国語を話す相手の場合、穏やかな表情から受ける印象と、通訳を介して初めて知る言葉の内容にギャップがあり、「真顔でそんなことを言っていたの!?」と驚くこともあるという。言葉の意味を直接理解できるかどうかにかかわらず、表情や仕草、そこに漂う感情から受け取るものがある。手話や筆談、声など、それぞれ異なる方法で思いを表現した3人の芝居を前に、山田自身も“伝えること”と“受け取ること”について改めて考えさせられたようだった。
『THE OPEN CALL ‐MAIN PARTNER 山田孝之‐』エピソード0より
同じ台本を渡されても、同じ芝居はひとつとしてない。さらに演出が加われば、それまで目の前にあった人物像や物語さえ、瞬く間に姿を変えていく。
約200人から、次の3次審査へ進むことができるのはわずか32人。静かな審査室で見つめられていたのは、用意してきた芝居の完成度だけではない。新たな演出を受けたとき、何を感じ、どう受け取り、その場でどう“生きる”のか。俳優一人ひとりの現在地と可能性を探るように、『THE OPEN CALL』の2次審査は進んでいった。
『THE OPEN CALL ‐MAIN PARTNER 山田孝之‐』は、Leminoにて毎週木曜0時配信。
