黒澤明×片岡愛之助、東京国際映画祭でコラボ「歌舞伎座スペシャルナイト」開催決定

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「第28回東京国際映画祭」にて、昨年好評を博した「歌舞伎座スペシャルナイト」が開催決定。2回目となる本年は、黒澤明監督が歌舞伎の代表作『勧進帳』を題材に企画・撮影した映画『虎の尾を踏む男達』(ニュープリント/英語字幕付き)と、歌舞伎俳優・片岡愛之助による歌舞伎舞踊『雨の五郎』を上演する。
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『虎の尾を踏む男達』は、第二次世界大戦終戦の1945年に完成するも、日本の検閲官が「『勧進帳』を愚弄している」と言及したことで、その存在自体が7年もの間封印された黒澤作品。「歌舞伎は封建的道徳を賛美し、民主化の妨げになる」と、GHQによって多くの演目が上演を禁止され、歌舞伎存続の危機に直面していた状況で、『虎の尾を踏む男達』の上映禁止を解除させたのは、一部のGHQ担当官たちの、政治を超えた芸術に対する理解であり、彼らの尽力の賜物だ。
映画の前に上演される片岡による舞踊『雨の五郎』は、歌舞伎ならではの艶やかな口説き・豪快な立ち廻りなど見所に溢れ、海外からのゲストにも分かりやすく“歌舞伎”をイメージさせる隈取の化粧、所作一つ一つが絵となる日本舞踊の美しさも満載。歌舞伎初心者から歌舞伎通まで、幅広く楽しめるプログラムになっている。
片岡は『雨の五郎』について「春雨の中、遊女・化粧坂少将の恋文を手に廓へ通う曽我五郎の色気とカラミとの豪快な立ち廻りが見どころ。見得を切るようなザ・歌舞伎という場面もあり歌舞伎らしい華やかさが満載です」とアピール。
また、「歌舞伎も映画同様娯楽です。見たことのない映画、新作映画には興味を持って劇場へ足を運ばれるように、歌舞伎にもこの歌舞伎座スペシャルナイトをきっかけに足をお運びいただければ本望です」と、意気込みを語った。
「第28回東京国際映画祭」は六本木ヒルズほかにて10月22日から31日まで開催。「歌舞伎座スペシャルナイト」は歌舞伎座にて10月26日に実施。