0.001 秒のために極寒の川を遡上『地獄の黙示録』オマージュシーンが登場

関連 :
米金融界を舞台に、個性的なキャラクターたちが命懸けでビジネスに燃える姿を描く映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』より、戦争映画の名作『地獄の黙示録』をオマージュした本編映像と、その撮影の裏側が見えるメイキング写真が特別解禁された。
【写真】『地獄の黙示録』オマージュシーンのメイキングカット&場面写真
本作は、株式の高頻度取引(1秒に満たない極めて短い時間にコンピューターで株取引を自動的に実施するシステム)に絶対的勝利をもたらすため、カンザス州からニューヨーク証券取引所までの約1600キロメートルを一直線の回線でつなぎ、0.001秒の時間短縮を目指したプロジェクト“ハミングバード・プロジェクト”に挑む男たちを描く、実話を基にした人間ドラマ。
プロジェクトを発案する主人公ヴィンセントを映画『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグ、そのバディでいとこの天才プログラマ―、アントンを『ターザン:REBORN』のアレクサンダー・スカルスガルドが演じる。監督・脚本を務めたのは、『魔女と呼ばれた少女』(2012)『きみへの距離、1万キロ』(2017)のキム・グエン。
解禁された映像では、ヴィンセントたちが霧に覆われた川を貨物船で進んでいく場面が映し出される。このシーンは、1979年度カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したフランシス・フォード・コッポラ監督の『地獄の黙示録』をオマージュしたものだという。同作では、過酷な戦争中に正気を失っていく兵士や麻薬におぼれていく兵士など阿鼻叫喚の狂気の中を、船で川を上り突き進んで行く。
キム・グエン監督は「自然の暗さや、もの悲しさは、主人公たちが向かおうとする深淵や、株式市場での数ミリ秒という厳しさを表現している。ヴィンセントがビシッとアイロンのかかった高級スーツを着て、泥だらけの沼地を進んでいく。彼と協力者のオフィーリアが、霧が覆う川を巨大なマシンを運ぶ貨物船で進むシーンは『地獄の黙示録』にオマージュを捧げているよ」と明言している。
通信速度を0.001秒短縮することに狂気的なほどこだわり、常軌を逸したプロジェクトを成功させようと静かに川を突き進んでいく姿は、ある種の狂気をはらんでおり、主人公ヴィンセントたちが突き進むいばらの道を暗示するかのようなシーンだ。
メイキング写真には、大自然の中で撮影に挑むプロフェッショナルたちの緊張感漂う姿が収められている。
映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』は公開中。