ヴェネチア国際映画祭、当初の予定通り9月に開催へ

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、映画祭や授賞式にも影響が出ている中、毎年秋に開催されるヴェネチア国際映画祭は、予定通り9月に開催されることが明らかになった。開催するヴェネト州の知事が認めた。
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ヴェネチア国際映画祭は、カンヌ、ベルリンと並び、三大国際映画祭と称され、例年注目の新作が数多く発表される重要な映画祭の一つ。毎年8月末から9月初旬に開催される。
新型コロナウイルスの影響で、毎年5月に開催するカンヌ映画祭が通常通りの開催断念を発表し、例年2月から3月に開催のアカデミー賞も対応を迫られているなか、ヴェネチアは当初の予定通り、9月2日から12日(現地時間)の期間に開催することが明らかになった。ヴェネト州知事であるルカ・ザイアが現地時間の24日に明らかにした。
今月初め、ヴェネチア国際映画祭は、9月の映画祭開催の是非に関して業界関係者にアンケートを送付し、出席の意思などを確認したことが明らかになっていた。その中で、映画祭ディレクターのアルベルト・バルベラは、「この困難な状況において、皆さんがこの映画祭を新たなるスタートとし、そして映画は生き続けるという強い意思表示のために利用する気持ちがあることを確認しない限り、映画祭のプランを立てることはできません」と、この状況下で映画祭を行う意味について言及するとともに、関係者らへ意思確認をしていた。
予定通り9月に開催することは明らかになったものの、今年は例年とは異なるものとなりそうだ。これまで、ヴェネチア国際映画祭は、バーチャルでの開催について否定しているが、事前に参加資格を取得し、現地入りできない関係者のために、バーチャル試写会や安全なオンラインのプラットフォームの利用を検討しているという。
ヴェネチア国際映画祭は、今年1月、コンペティション部門の審査委員長にケイト・ブランシェットが就任したことを発表していた。9月開催のプランについては、まだ明らかにしていない。
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