ハル・ベリー、批判を受けトランスジェンダー役を降板
映画『007/ダイ・アナザー・デイ』や『キングスマン:ゴールデン・サークル』などに出演、『チョコレート』で米アカデミー賞主演女優賞を受賞したハル・ベリーが、ネット上で批判を受けたことで、出演予定だったトランスジェンダー役から降板したという。
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Deadlineによると、事の発端は、ハルが現地時間3日にインスタグラムのライブ配信にて行った、ヘアスタイリストのクリスティン・ブラウンとの対談。その中で、これまでのヘアスタイルや、今後予定している監督デビューについて話したハルが、これからトランスジェンダーの男性の役を演じる予定があることに触れ、「その世界を経験したいし、理解したい」と明かしたそうだ。
これに、Netflixドキュメンタリー『DISCLOSURE:TRANS LIVES ON SCREEN(『邦題:トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』)』の監督サム・フェーダーがツイッターにて、「多くの場合、物事を知らない人は、自分が知らないということを知らない。それは良い。ハル・ベリー、トランスジェンダーを演じる前に、どうか『DISCLOSURE』を観ることを検討してみて」と発言。
また、ドラマシリーズ『センス8』などに出演の女優ジェイミー・クレイトンもフェーダー監督に同調し、「どうか、我々のために戦って。我々に敵対するのではなく」とツイートした。
するとハルは、6日にツイッターにて声明を発表。「週末の間、これからトランスジェンダーの男性の役を演じようとしていることについて、話し合う機会がありました。自身の発言について謝罪します。シスジェンダーの女性として、今、この役を考慮に入れるべきでなかったと理解しました。トランスジェンダーコミュニティーこそ明らかに、自分たちのストーリーを語る機会を持つべきです」とトランスジェンダー役を降りたことを明らかにした。
続けて、「ここ数日の、助言と批判的意見に感謝しています。そして今後もこれに耳を傾け、今回の過ちから知識を得て、学び続けます。支援者となることを誓います。スクリーン上でより良く描かれるよう、カメラの前でも後でも、自身の声を上げていくつもりです」と発表している。
今回の騒動に、メディア上でのLGBTQ差別をモニタリングする組織GLAADは、ハルの謝罪を受けて、「ハル・ベリーが、トランスジェンダーの人々の考えに耳を傾け、学んだことをうれしく思います。パワーを持つ他の人々も、彼女に続くべきです」とコメントを発表した。