ボクサー役挑戦の森山未來、白熱の試合シーンは「アドレナリン感じた」

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俳優の森山未來が2日、都内で実施された劇場版『アンダードッグ』の舞台あいさつに勝地涼、武正晴監督とともに登壇。役作りや劇中のボクシングシーンを語り、共演する北村匠海から届いた質問に答えるなどして会場を盛り上げた。
【写真】森山未來&勝地涼、『アンダードッグ』舞台あいさつに登場
本作は、『百円の恋』(2014)や『全裸監督』(2019)を手がけた武監督によるボクシング映画にして、第33回東京国際映画祭のオープニング作品。過去のささやかな栄光が忘れられず“かませ犬(=アンダードッグ)”になり果てた今も、ボクシングにしがみつくことしかできない主人公・末永晃(森山)を中心に、人生から見放された3人の負け犬たちが、再起を賭けて闘う様を描く。
元日本ライト級1位のボクサーを演じた森山は、宮木瞬役の勝地との白熱の試合シーンを振り返って「リングの上にのぼって、お客さん(エキストラ)に囲まれて声援を浴びながら、アドレナリンも感じながら宮木をボコるという…」と笑いながらコメント。10代の頃から互いを知る間柄だけに「勝地とは長い付き合い。テンション上がるんですけど、ちゃんとクールな部分も持ってやらない。そういうのを意識しながら、コミュニケーションを取りながらやりました」と話した。
勝地演じる宮木瞬は、有名俳優を父にもつ芸人にして、番組企画でボクシングに挑戦するという役柄。試合シーンでは実際に打撃を当てているときもあったと説明し、「未來君は信頼も込めてガッツリ殴ってくれた。そこは小っちゃい声で『痛い…』と言ったりした(笑)」と述べた。
ボクサー役を演じるにあたって森山は1年前、勝地は半年前からトレーニングを開始。森山は「格闘技経験が全くなかったので、ジャブをどう打つか、ワン・ツーはどう打つのかと基本的なところから始めた。途中から、ボクシング指導の松浦慎一郎さんについてもらって、映画としてのボクシングシーンをどういう風にやっていくのか。末永晃はどういうボクシングスタイルなのか。そういうのを話し合って決めた」と解説した。
ただし、芝居の一環でボクシングの動きを覚えることはできても「僕は人を殴った経験や、思いっきり殴られた経験がなかった。松浦さんとスパーリングを経験したり、松浦の紹介で他のボクサーの方とけっこうスパーリングをやらせていただいた。そのときに初めて、ボクサーはなぜボクシングにとり憑かれるのかを初めて感じた。(殴る・殴られるということは)原始的な行為なのかもしれないけど、やはり原始的で、僕らの本能的なエネルギーが込められている。そういうものを肌で感じた」と話した。
イベント後半には、本作に出演する北村匠海から届いた肉声の質問に答えることに。武監督には映画監督になったきっかけ、森山には表現者としてのやりがいなど“深い”質問が投げかけられた。
この問いに対して森山は「コロナ以降、色んな思いで表現したいという気持ちがある、お客さんも体感したい欲求があると再確認できた。そう考えたとき、舞台なら同じ時間・空間を共有できる。映画なら作品と観客の皆さんが一つの空間で一体になれる。こちらが提示したい・表現したいと気持ちがあっても、お客さんがいないと完結できない。その瞬間が一番大事。お客さんに楽しんでもらったり皆さんの世界観や価値観がいい変化になったりしたら、そこが一番の喜びになる」と真剣に回答。
一方勝地には、本作のつらい減量などが終わった後のご褒美メシは何だったか、という“浅い”質問。たまらず勝地は「オレだけ質問浅くない!? おい、匠海!」と天に向って叫び、会場の笑いを誘った。
勝地は、本イベントが東京国際映画祭のイベントであり、外国メディア向けに英語通訳が都度入ったことを受けて、英語で「アイ・イート・つけ麺!」と回答。「未來との試合シーンの後、飲みに行った。その前に、つけ麺を食べてから行った。…なんだ匠海くんの質問は? なんなんだ?」と納得いかない様子だった。
劇場版『アンダードッグ』の前編・後編は、11月27日より同日公開。