『世界で一番しあわせな食堂』目にも体にもおいしい料理の数々&カウリスマキ監督インタビュー到着
■フィンランド人は食にこだわりなし!?
劇中の主な舞台は、女主人のシルカが営む村の小さな食堂。メニューはいつも同じ、ソーセージとマッシュポテトと生野菜。訪れる人も「とりあえずお腹が空いたから用意されたものを食べる」という食にこだわりのない老人ばかりで、食べ盛りのはずのチェンの息子ニュニョも一口食べただけで残してしまうほど。フィンランドの食文化についてカウリスマキ監督は「中華料理には何千年もの歴史がありますが、フィンランド料理には長い歴史などありませんし、食事は空腹を満たすためだけのものという考えがあります。フィンランド料理は、中華料理と違いとてもシンプルです。決して健康的な食べ物がないわけではないのですが、多くの人が、不健康な食事をしています」と意外な真実を明かす。
本作でもフィンランド人は食に関して保守的で、食堂に通うおじいさんたちは初めこそ中華料理を毛嫌いするが、健康を気遣わない食生活がたたって不調に悩まされるうちに、次第に“医食同源”の中華料理のおいしさに目覚めていくようになる。
(C)Marianna Films