短編4作がつながる『異物 ‐完全版‐』劇場公開 “あいつ”が写り込むビジュアル解禁
『黒い暴動』『サラバ静寂』『転がるビー玉』の宇賀那健一監督がメガホンを取った、短編映画シリーズ『異物』『適応』『増殖』『消滅』の4作品をつなげた映画『異物 ‐完全版‐』が、年内に劇場公開されることが決定。併せて、ティザービジュアルが解禁された。
【写真】短編映画『異物』『適応』『増殖』『消滅』場面写真
『異物 ‐完全版‐』は、数々の海外映画祭で入選や受賞を果たした短編映画『異物』からはじまる、4つの短編作品がつながる長編作品。延々と繰り返す退屈な日常の中、ある日理由もなく異物が人々の日常に介入してくる様を描く。
第1作『異物』は、閉塞感が漂う和室にやってくる異物を中心に、人間の本質を問う要素を盛り込んだ新感覚のエロティック不条理コメディ。カオル役を小出薫、カオルの彼氏・シュンスケ役を田中俊介が演じる。
主人公のカオルは、日々の生活に言い知れぬ閉塞感を感じていた。彼氏のシュンスケはご飯を食べるためだけに家にやってきては「美味しい」とも言わず帰っていく。出会い系アプリのアルバイトも、そこで働いている奴らも大嫌いだ。そんなある日、“あるもの”が家にやってくる…。
続く2作目『適応』、3作目『増殖』、4作目『消滅』は、それぞれ前作の“あるもの”を受け継いで展開していくシュールな会話劇。
『適応』は、本作が映画初出演となる石田桃香のほか、吉村界人、田中真琴が出演。トモミ(石田)は、いつもと変わらない下らない日常にイライラしながらバーでバイトをしていた。そんな中、コウダイ(吉村)は急いでバーへ向かっていた。昔の彼女であるミナ(田中)に、あるものを見せるためだった…。
『増殖』は、宮崎秋人、ダンカン、高梨瑞樹が出演している。ゴミの処分場で働くリュウ(宮崎)、タケシ(ダンカン)、ミサト(高梨)は国から補助金をもらい、新たな事業を始めていた。作業中にリュウはとあるものを発見してしまう…。
『消滅』は、『異物』の小出薫と田辺桃子が出演。異物との出会いから1年。激変する社会情勢の中、カオルは日々の小さな変化を積み重ねながら暮らしていた。そんなある日、カオルが行きつけのバーに向かうと…。
ティザービジュアルは、座っている女性の横に“あるもの”が映り込む様子をモノクロで捉えた、不穏な空気漂うビジュアルとなっている。
また今回、本作がこれまで入選や受賞を果たした海外映画祭からコメントも到着。「これはトワイライトゾーンの現代版のような楽しい芸術作品だ。一見の価値あり!」(Oshka Kuwalski/Planet 9 Film Fest 2020)、「この映画は現代の世界における人間の接触について非常に予想外の方法で語ることに成功している」(Saul Mendez Filho/Cinehorror Film Festival)、「この映画は非常に優れたスタイルを持っている」(Robert John Torres/51th Nashville Film Festival)など、多くの称賛コメントが寄せられている。
映画『異物 ‐完全版‐』は2021年公開。