佐藤二朗、山田孝之の熱演ぶり明かす「カメラ回ってないところでも1日中泣いてる」
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俳優の山田孝之と佐藤二朗が5日、都内で行われた映画『はるヲうるひと』公開記念舞台あいさつに出席。佐藤が、本作のクライマックスで山田が1日中泣いていたことを明かした。
【写真】映画『はるヲうるひと』公開記念舞台あいさつに登場した山田孝之
本作は、佐藤主宰の演劇ユニット「ちからわざ」の人気舞台の映画化作品。架空の島の売春宿で暮らす三兄妹と、そこで働く4人の遊女を描く。佐藤が原作・脚本・監督を務め、イベントには山田と佐藤のほか、仲里依紗、坂井真紀も出席した。
上映後に行われた同イベント。山田は「みなさん、映画を観てくれて、そして(自身が演じる)得太をはじめとするこの寂しい孤独な人たちに寄り添ってくれてありがとうございました」と感謝したうえで、「あとは『るろうに剣心』を観に行ってください」と笑いを誘った。
別作品の宣伝に、佐藤はすかさず「なんてこと言うんだ」と指摘。山田は「映画はすべて仲間ですから」と切り返し、佐藤は「それはそうだ。それはそうだけどもさ」とうなっていた。
また佐藤は「コロナで公開が1年以上延びたわけですけれども、そのおかげでその間に韓国の江陵国際映画祭で最優秀脚本賞を獲れたりしましたんで、延びたことは前向きにとらえております」とコメント。「俳優としてもらった賞が“NG大賞”だけの僕が、異国の地、しかも映画大国の韓国で最優秀脚本賞を獲れたのは、本当に『書くことを続けてきてよかった』と励みになりました」と喜びを語った。
山田は劇中の登場人物たちを「二朗さんが『はるヲうるひと』のストーリーを10数年前に生み出して二朗さんが演じて、そこからずーっと誰にも触れられずにずっと宙を舞っていたような状態」と表現。「得太がひとりでかわいそうだなとずっと思っていたので、大勢の人が観てくれて、得太のことを知ってくれて、少しでも彼の気持ちがちょっとくらい楽になってんじゃないかなと思って、今やっと重荷がとれた気がします」と同作公開に対する並々ならぬ思いを打ち明けた。
生みの親ながら、得太に対する山田の考え方を初めは理解できなかったという佐藤。「だけど、どう考えても本気で思っているとしか思えないような現場の居方だった。クライマックスのあるシーンでは、カメラ回ってないところでも本当に1日中泣いてるんですよ。だから誰も近付けなくて。僕、同業者だから分かるけど死ぬほど辛いと思う。カチンコがなったらすぐに切り替えられる役もあるけど、孝之にとってはクライマックスのあのシーンは、それしか方法が思い付かなかったんだ、と今は思います」と現場での山田の様子を明かした。
一方、仲も「私は普段、役でいるのがなんか嫌で“仲里依紗”でいたいんですけど、そうもいかないような感じだったんですよ。その役になってなきゃいけないような環境だったので、普段ヘラヘラしちゃうような私でも、結構きました」と役から抜けきれず、精神状態を保つのに苦労したことを告白していた。