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濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』、カンヌ4冠の快挙達成! 日本映画初の脚本賞受賞 

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第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督
第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督(C)KAZUKO WAKAYAMA

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 俳優の西島秀俊が主演を務める、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が、世界三大映画祭の第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞を受賞した。脚本賞の他に、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞という3つの独立賞も同時受賞し、カンヌの歴史を塗り替える偉業を達成した。

【写真】カンヌ国際映画祭授賞式に臨む濱口竜介監督

 妻を失った男の喪失と希望をつづった村上春樹による短編小説『ドライブ・マイ・カー』を原作に、同作にほれ込んだ濱口監督が映画化を熱望、自ら脚本も手掛けた本作。西島が愛する妻を失った舞台俳優の家福悠介役で主演し、喪失を抱えながら希望へと1歩を踏み出していく主人公の心の機微を繊細に表現。そのほか、寡黙でありながら芯のある本作のヒロインでドライバーの渡利みさき役を、歌手としても活躍する三浦透子、物語を大きく動かすキーパーソンの俳優・高槻耕史役を岡田将生、家福の妻・音役を霧島れいかがそれぞれ務める。

 公式上映では、満席の会場から拍手喝采のスタンディングオベージョンが寄せられ、現地時間17日の授賞式に先駆け発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの賞を受賞するなど、主要賞受賞に期待が集まっていた。濱口監督は、商業デビュー作『寝ても覚めても』が2018年に同映画祭コンペティション部門に出品されており、今回、2作品連続・3年ぶりの出品にして見事、脚本賞受賞の快挙。これまで、第71回ベルリン国際映画祭で短編集『偶然と想像』が審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞。第77回ヴェネチア国際映画祭では共同脚本を務めた『スパイの妻<劇場版>』が銀獅子賞(監督賞)を受賞しており、今回の受賞でさらに国際的評価を高めそうだ。

 授賞式で濱口監督は、「最初にお礼を申し上げなくてはならないのは、この物語を我々に与えてくれた原作者の村上春樹さん。そして、役者のみなさんが、この物語を自分の身体で素晴らしく表現してくれた」と喜びのコメント。「脚本賞をいただいたが、脚本は映画には映っていない。それを素晴らしいと思っていただけたのは、表現する役者たちが本当に素晴らしかったと。役者たちこそが物語だという風に思っています」と感謝を述べた。

 続けて行われた記者会見で濱口監督は、「“流れ”というものはものすごく意識して書いていたと思います。滞ることがあってしまったら、この長い物語というのは、観客にとってとても負担になってしまう。淀むことなく進んでいくように、ということは考えていました」と明かし、「どこかで止まってしまったらちょっと戻って、流れが淀まないような形で一気に書くということを何度か繰り返した結果だと思います」と振り返った。

 主演を務めた西島秀俊は「監督が村上春樹さんの原作を問いとし、過去と真摯に向き合う事で人は絶望から再生することが出来るという答えを示したこの作品が、世界の人々の共感を呼んだのは本当に素晴らしい事だと思います。監督の、人への深い洞察と愛情の力です。これからも沢山の傑作を作って下さい。楽しみにしています。おめでとうございます!」、岡田将生は「こんな幸せなことがあっていいんでしょうか。監督の作品の現場で過ごさせて頂いた日々は宝物です。この映画が世界の方々に通じた事が何よりも幸せです。早くスタッフキャストとこの気持ちを分かち合いたいです。そして、日本の方々にもこの映画をスクリーンで是非観て頂きたいです。この映画は僕にとって本当に宝物です」とそれぞれ祝福のメッセージを寄せた。

 映画『ドライブ・マイ・カー』は、8月20日全国公開。

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