木竜麻生×藤原季節『わたし達はおとな』公開決定　気鋭の劇作家・加藤拓也が初監督

映画

公開日：2021/9/16 08:00

【写真】「木竜麻生」フォトギャラリー

　物語の主人公は、大学でデザインの勉強をしている優実。ある日、自分が妊娠していることに気づく。知り合いの演劇サークルのチラシを作ったことがきっかけで出会った直哉という恋人がいるが、おなかの子の父親が彼という自信を持てないでいた。悩む優実。一方、直哉は現実を受け入れようとすればするほど優実への思いや考えがすれ違っていく…。

　恋人との衝突、元カノの存在、成りゆきのセックス、大学仲間との何気ない会話―。もろく崩れやすい日常、“少女”から“女性”になる過程、甘く切ない恋のほろ苦さや歯がゆさ、そして自分の中に押し込めるしかない葛藤が描かれる。

　メガホンをとるのは、テレビドラマの脚本を担当してきた加藤拓也監督。今作がオリジナル脚本による初の長編映画となる。

　制作は、メ～テレと制作会社ダブ。本作は、新進女優と次世代監督がタッグを組み、「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化するプロジェクト、“（NOT） HEROINE MOVIES”＝ノット・ヒロイン・ムービーズの第一弾公開作品となる。

　加藤監督は「演劇と映画は全く違いますし、自分が演劇で良しとしているものがどうすれば映像の中でもできるのかまだわかっちゃいませんが、今回は普段から一緒に演劇をやっている人達と稽古をして稽古をして、リテイクをしてやり込んだ結果の生感というもの、だからつまりライブ感ですよね。生イコール演劇ではございませんが、私達を通じて私達を見つめる、とにかく生活がそこにあると思える生活の映画が出来上がったのではないかと思っております」とコメント。

　主演の木竜は「『"生活"や"暮らし"がそこにある』『表と裏だけじゃなくて、もっといくつも面があるんだと思う』加藤監督が言っていた言葉を心に書き留めて、相手と役と自分と向き合ってみた。ある時、たくさんの人に守られているような初めての感覚の中で、見たことのない顔をした自分がいた気がしました」と話す。

　藤原は「加藤拓也監督の書いた物語にこれまで多く参加してきたが、その度に文字通りボロボロになった。彼の脚本や芝居は、基本は技術的な積み重ねの上に成り立っているが、最後には激しくエモーショナルな部分で戦うことを自然に求められる。それでいつもボロボロになるわけだが、『わたし達はおとな』ではそのボロボロ具合がいつもとは比にならなかった」と振り返っている。

　映画『わたし達はおとな』は、2022年6月10日より全国公開。