仏俳優ギャスパー・ウリエルさん、スキー中の事故で逝去 37歳
グザヴィエ・ドラン監督の『たかが世界の終わり』やマーベルの新ドラマシリーズ『ムーンナイト』に出演するフランス人俳優のギャスパー・ウリエルさんが、スキー中の事故のため亡くなった。37歳だった。
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Varietyによると、現地時間18日、フレンチアルプスでスキー中に、他のスキーヤーと衝突し、脳に深刻な損傷を負ったという。ヘリコプターでグルノーブルの病院に搬送されたものの、翌19日に息を引き取った。地元警察は事故について捜査を開始したと報じられている。
ギャスパーさんは、12歳でフランスのテレビ映画『Une Femme En Blanc(原題)』にクレジットなしで出演し、俳優デビュー。いくつかのテレビドラマや映画に出演した後、2004年の『ロング・エンゲージメント』でセザール賞有望若手男優賞を受賞した。
フランスを代表する人気俳優として知られ、国内外の名監督の作品に出演。2007年には、ピーター・ウェバー監督の『ハンニバル・ライジング』で、若き日のハンニバル・レクター博士を演じ、英語作品に進出した。
他に、ベルトラン・ボネロ監督の『SAINT LAURENT/サンローラン』(2014)や、ベルトラン・タヴェルニエ監督の『モンパンシエの王女』(2010)などに出演。この後、3月からディズニープラスで配信予定のマーベルドラマ『ムーンナイト』にも出演している。
直近では、グザヴィエ・ジャノリ監督の犯罪スリラードラマの撮影中で、今後はボネロ監督と、『たかが世界の終わり』のレア・セドゥと再びタッグを組むSF映画『La bete(原題)』に出演予定だったという。
また、シャネルの香水「ブルー ドゥ シャネル」の顔を務める人気モデルとしても知られ、マーティン・スコセッシ監督が手掛けた同ブランドのコマーシャルにも出演している。プライベートでは、長く交際する恋人で、モデル・歌手のガエル・ピエトリとの間に6歳の男の子がいる。
才能ある若き俳優の突然の死に、これまで組んだ監督らから、追悼のコメントが発表されている。
『ハンニバル・ライジング』のウェバー監督は、ツイッターにて声明を発表し、「まだ若きギャスパー・ウリエルさんがスキー事故で亡くなったと聞き、ショックと悲しみに包まれています。『ハンニバル・ライジング』で彼と仕事をした時の懐かしい思い出が蘇ります。大切な友よ、安らかに」と偲んだ。
『たかが世界の終わり』のドラン監督は、インスタグラムにギャスパーさんの写真を投稿し、追悼文を発表。「信じられません。不条理で、文字にすることすら、あまりにも辛い。あなたの控えめな笑顔、人を思いやる眼差し、頬の傷、才能、人の声に耳を傾ける能力、囁き声、やさしさ、これらすべてが、温和で輝くようなあなたから滲み出ていました。あなたの存在すべてが、私の人生を一変させました。深く愛し、これからも愛し続けます。これ以上言葉がありません。あなたの死に憔悴し、動揺しています」と綴った。