ギャスパー・ウリエル、ドラン監督は「今までの監督とは違う」撮影中のダメ出しに衝撃

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『ロング・エンゲージメント』(04)のオドレイ・トトゥの相手役として注目を集め、『ハンニバル・ライジング』(07)では若きレクター博士を演じ、その美しい姿で世界中を魅了したフランス人俳優ギャスパー・ウリエルが、最新作『たかが世界の終わり』を引っさげ、約5年ぶりに来日を果たした。32歳になり、少年風な雰囲気から大人の色気漂う男性へと姿を変えたギャスパーに話を聞くことができた。
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『たかが世界の終わり』は、『Mommy/マミー』(14)でカンヌ国際映画賞審査員賞を受賞した27歳の若き天才・グザヴィエ・ドラン監督の最新作であり、第69回カンヌ国際映画祭ではグランプリを受賞した話題作。ウリエルほか、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル、マリオン・コティヤール、ナタリー・バイらフランスを代表する俳優陣が勢揃いしていることでも注目を集めている。
同作への出演は「彼(ドラン監督)から直接連絡が来たんだ」と明かしたギャスパー。「彼とは映画祭などで顔を合わせていたこともあって、“お互い一緒に仕事ができればいいよね”と思っていたんだ」と笑みを見せる。だが、いざ撮影が始まるとギャスパーは、“天才”と言われるドラン監督の驚くべき演出方法に直面する。「俳優へのダメ出しを、撮影の最中にセリフにかぶせて行うんだよ。 音楽も始めはかけていなかったのに、途中でかけ始めたりするし」と告白。「僕が今まで一緒に仕事をしてきた監督とは少し違うなとは思ったね。でもそれは、本作で共演したメンバーもそう思っていたみたい」。
ドラン監督の演出方法に驚かされたとはいえ、ギャスパーの話しぶりからは嫌な気持ちはまったくみえてこない。それはなぜか…。「細かい変更は何度もあったけど、ドラン監督の中では詳細なビジョンがあって、台本からガラッと変わることはないんだ」と、その理由を述べる。また「俳優はサプライズを期待しているから、撮影の間に予想外なことが起こると俳優は意外と喜ぶものなんだよ」とも。