クランクイン!

大貫勇輔×柚希礼音×KELOが躍動! 『PASSION』初の通し稽古実施

演劇

ダンスエンターテイメント演劇『PASSION ‐ 北斎の描く夢 ‐』稽古場写真
ダンスエンターテイメント演劇『PASSION ‐ 北斎の描く夢 ‐』稽古場写真 撮影:宮川舞子 提供:ホリプロ

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 大貫勇輔、柚希礼音、KELOが出演するダンスエンターテイメント演劇『PASSION ‐ 北斎の描く夢 ‐』。本作は、「富嶽三十六景」など世界を今なお魅了する作品を描いた絵師・葛飾北斎の生涯を、身体表現で立ち上げていくダンス公演となる。享年90で亡くなる間際まで筆を握り続けたその衝動、内面に焦点を当てて紐解いていく。稽古が進められている10月某日、初めての通し稽古の様子をレポートする。

【写真】大貫勇輔、柚希礼音、KELOの美しき体躯 『PASSION』稽古場写真

 この日は、公開された通し稽古の前にも、活発な稽古が行われていた。踊りっぱなしのダンス公演のため、稽古における運動量の凄まじさは想像に難くない。じわりとにじむ汗、水分補給の様子などから、疲労もうかがえるが「多分、通す方が楽だよね」「集中力が続くから、絶対に通しのほうが楽!」という会話も聞こえてきて、舞台人としてのタフさが感じられた。

 通し前、柚希は録画映像をスマホで見ながら振りのチェックをギリギリまでさらう。大貫は、ストレッチなどの柔軟を念入りに行っていた。KELOはリラックスした様子で、何かをつまみながら静かに出番を待つ。三者三様のやり方で、通し稽古に向けて準備を整えていた。

 北斎を演じるのは大貫。冒頭、大貫はゆっくりと羽ばたくように、柔らかく両手を広げる。ふいに現れた蝶に目を奪われ、蝶の動きに呼応するように筆を走らせていく。繊細ながら生き生きとした動きに、北斎の好奇心や描く喜びがあらわれているようだ。その場、その瞬間を描かなければ意味がない。そんな北斎の執念にも近い熱量が、大貫の舞から立ち上がる。

 そんな北斎へと絡みつくように、まとわりつくように現れたのは、“常識”や“世間”を表現するKELO。北斎の純粋な好奇心や類まれな集中力を疎み、世の中にとって正しいとされていることを説き伏せる。高い身体能力で表現される振りは、圧倒的に正しく、時に歪で滑稽だ。筋肉の可動域を最大限に使い切るような動きで、KELOは北斎の前に立ちはだかる。

 北斎が絵の師についた頃に、柚希が現れる。彼女が表現するのは、北斎の“情熱”や“理想”。それは描かれた美人画、時には妻として、北斎の前に現れる。華やかで誘うような振る舞いは、北斎の目から見える憧れの境地。北斎を突き動かす味方のようで、いつまでもたどり着けない苦しみでもある――そんな惹きつけてやまない魅力を、柚希はその伸びやかなダンスで常に放っていた。

 舞台上の天井からは布や木枠が吊るされているほか、三角形のオブジェが置かれている。それらは、時に北斎が描く絵の画板に、時に家屋や物陰にと活用される。身にまとった大きな布をダイナミックに舞わせるような演舞や影絵のような演出、道具を使ったアクロバットな表現など、感覚を刺激するような驚きが随所に展開され、一瞬も目が離せない。

 本作の主軸は、間違いなくダンスだ。さらに、北斎の生き様や内面がセリフや歌で補われることで、より物語を追いやすくなっている。物語がスムーズに入ってくるからこそ、ダンスの魅力も一層際立つ。ダンスだけでなく、芝居、歌にも長けたキャストだからこそ、このダンスエンターテイメントが成立していると感じられた。大貫は幼年から晩年までという北斎の成長と老いを、しっかりと変化をつけて演じ分ける。柚希は“情熱”という北斎の分身のような存在でありながら、新しいものを取り入れ続けた北斎らしく、変幻自在な魅力を見せる。KELOは、現実のおかしさや皮肉をコミカルに表現し、物語に緩急をもたらす。そんな3人の舌を巻くようなすばらしい身体表現を、存分に味わえるはずだ。ここからどんなアップデートが重ねられ、本番を迎えるのか。大いに期待したい。

 ダンスエンターテイメント演劇『PASSION ‐ 北斎の描く夢 ‐』は10月22日~11月3日まで、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールにて上演。その後、大阪でも上演を予定している。

【公演概要】

ダンスエンターテイメント演劇『PASSION ‐ 北斎の描く夢 ‐』
ダンスエンターテイメント演劇『PASSION ‐ 北斎の描く夢 ‐』ビジュアル

ダンスエンターテイメント演劇『PASSION ― 北斎の描く夢 ―』

期間:2026年10月22日~11月3日 
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール
主催・企画制作:ホリプロ
※大阪公演あり

<スタッフ>
脚本:藤井清美
音楽:森 大輔
振付・演出:KAORIalive
共同演出:元吉庸泰

<キャスト>
大貫勇輔 柚希礼音 KELO 他

<チケット料金>
全席指定:1万1500円
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