クランクイン!

千葉雄大、30代になり無理することをやめたら「ちょっと生きやすくなった」

演劇

◆20代後半~30歳ころから生きやすくなった



――今年は8月に仙台で伊藤沙莉さんと朗読劇『ラヴ・レターズ』があり、本作を挟んで、12月には藤井隆さんと共演の『ジャズ大名』の再演も控えています。近年舞台にも積極的に取り組まれている印象です。

千葉:そうですね。2020年ごろから意識的に取り組むようにしています。

――それはどんな思いから?

千葉:うーん。やってこなかったからですかね。舞台はずっとやりたかったんですけど、どうしても映像が多くて。映像ももちろん好きなんですけど、やったことないことってやりたいじゃないですか。

――なるほど。では、舞台の魅力はどんなところに感じていますか?

千葉:難しいんですけど、映像と舞台の違いはお稽古があるかないかだと僕は感じていて。映像だと限られた時間の中でパッとやる、そんな瞬発力が求められる気がするんです。だけど、舞台では、もちろんそういう瞬発力も大事だけどいろいろ稽古で試せるというか。そのプロセスはすごく贅沢で、芝居をする上でこんなアプローチもあるんだと1回読んでやっただけではたどり着けない境地まで行ける気がする。そこが魅力なのかもしれないです。


――『アンメット ある脳外科医の日記』や『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』など演じられる役の幅の広がりが印象的です。

千葉:自分ではよく分からないんですよね。ただ、20代後半か30代に入ったぐらいから、なんかちょっと生きやすくなったというか。頑張るとか、お仕事や何かのために無理をするというのは大事なことだと思うんですけど、そういう意味じゃない“無理”はしなくなったというか。

こういうインタビューでも昔は多分黙っちゃっていた気がするけど、割とどう見られてもいいというか、全員に好かれるのは無理なのでそれをやめたという感じですかね。ただ、好きになってくれた人にはとことん好きになってもらおうと。そういうのも影響してるんですかね。

でも別に何か変わったわけじゃないです。世間の見る目が変わったんじゃないですか。「そういう人だと思わなかった」とか「こんなしゃべるんですね」とか今も言われますもん。きっとそういう役をこれまで求められてこなかっただけなのかもしれません。


――俳優として16年を超えるキャリアを重ねられてきましたが、千葉さんにとってターニングポイントを挙げるとするとどの作品になりますか?

千葉:僕、そういう意味ではあまり嫌われたくなくて(笑)。全部一生懸命やっているのにこれって挙げると、他の作品は違ったんだと思われるので…。

でも自分が監督、脚本を務めたという経験は、ひとつの転機になったかもしれないです(注:2022年WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム2』内で「あんた」の監督・脚本・主演を担当)。脚本がずっとやりたかったのですごくうれしかったですけど、やっぱりやりたいだけじゃダメなんだな、もうちょっと勉強しなきゃなと思うところもあって。本当に『耳をすませば』の雫みたいな気持ちでした。…伝わりますか?(笑)

――伝わりました(笑)。作る側を経験したことで、何か変化はありましたか?

千葉:役者さんとして出るだけの時は、もちろん責任感はあるんですけどやっぱり撮影して終わりというか、その後は監督のさじ加減でお客様のところに届くと思うんです。でもあの時は編集も何もかも全部自分で最初からやったので、そういう意味ではすごくうれしかったんですよね。

その時も助けられることがすごく多くて。分からないことだらけなんですよ。カット割りとか散々聞いているし見てるけど、いざ自分がやるってなった時に分からない。カメラマンさんに「カット割りってどうやるんですか?」と聞いて、カメラマンさんと一緒に「このセリフのシーンはどの人の顔が撮りたい?」「しゃべっている人じゃない方を撮ってほしいです」「分かった」と考えました。分からないって言うと、みんな助けてくれたんですよね。

衣裳も「この人はこういう役で、こういうイメージで」みたいな感じで言うと、みんなが各々膨らませてくれて持って来てくれた。いろんな部署の方に助けられているというのを改めて感じたことがすごく大きかったです。

――最後に、今回の舞台を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

千葉:会社が舞台のすごく日常的なお話だと思うんです。みんなそれぞれに働くことに対しての向き合い方があって、そこに二階堂という異物と思われがちな感じの人がいる時にどう振る舞うのか。二階堂が全て正しいわけではないと思うんですけど、でも心の中に二階堂がいたらもうちょっと自分も強くなれたのかな?と僕も考えたりしました。

とにかく「あぁ楽しかった!」と思って帰っていただける舞台にできたらいいなと思っていますので、ぜひ楽しみに劇場に来ていただけたらうれしいです。

(取材・文:近藤ユウヒ 写真:高野広美)

 舞台『二階堂朝陽は助けに来る』は、10月17日~11月1日東京・EXシアター六本木、11月7日~9日大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール、11月14日・15日富山・富山県民会館にて上演。

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【公演概要】

舞台『二階堂朝陽は助けに来る』
舞台『二階堂朝陽は助けに来る』メインビジュアル

舞台『二階堂朝陽は助けに来る』

◆日程・会場
10月17日(土)~11月1日(日) EXシアター六本木
11月7日(土)~11月9日(月) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
11月14日(土)~11月15日(日) 富山県民会館

◆作・演出
細川 徹

◆出演
千葉雄大
戸塚純貴
牧島 輝
坂元愛登
篠原悠伸
日高由起刀
大水洋介(ラバーガール)
皆川猿時
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