多摩美演劇舞踊デザイン学科が学生・教員総力挙げて挑む“新たな劇団の形”/ びびびvol.2『大工』柴幸男インタビュー

――<びびび>というプロジェクトや『大工』のクリエーションを通じて、柴さんが学生のみなさんに伝えたいことはどんなことでしょうか?
柴:自分が学生だった頃を振り返ると、作家や演出家がいて、みんなでその人のやりたいものを作っていくタイプか、みんなでフラットにわちゃわちゃ作るタイプかの2通りだったように思うのですが、<びびび>はそのどちらでもないと思うんです。複数人の、領域がバラバラなプロが混在していること。作家でも、演出でも、役者でも、ダンサーでも、美術や照明や衣裳など領域がどんなものであっても、学生たちが今後舞台芸術を目指すうえで、こうした現場を経験しておくことはとても意味があると思っています。このユニークな創作現場を1つのモデルとして、いいところは吸収してほしいですし、変えられるところもどんどん見つけてほしい。こんなに時間かけて、贅沢に作品を作れることはそうそうないですから、この経験を今後待ち受けるタイトな現場でどう活かしていけるかについても、一緒に考えていきたいと思っています。
――最後に、<びびび>プロジェクトの一員として、柴さんが思う展望をお聞かせ下さい。
柴:パンフレットでも少し言及したのですが、僕個人としては、新しい劇団のようにも感じているんですよね。大学母体のコラボレーション前提の劇団というか…。出演者も学科の学生たちから選ばれていくので、初めて出演する1年生もいれば、昨年も出演した3年生もいる。そして、もちろん卒業して、社会に出ていく学生もいる。そんな中で、お客さんたちが「今年はどんな演目をやるんだろう?」とか「去年も出ていた俳優がいたね」と、それぞれの見方で公演を楽しみにしてくれたらいいなと思っています。研究会やサークルなどの大学演劇ともまた違う、新たな劇団の形になれたらすごく面白いですし、2回目にしてすでにちょっとなりかけているんじゃないかな、っていう感覚もあります(笑)。年に一回ある、少し不思議な劇団の公演を楽しみに待ってもらえるように、今後も<びびび>ならではの方法と在り方で、作品やカンパニーを育んでいけたらと思います。
(取材・文:丘田ミイ子)
多摩美シアタープロジェクト びびび vol.2『大工』は、9月11日~13日埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 小ホールにて上演。
※撮影協力:多摩美術大学 上野毛キャンパス オクルスホール
【公演概要】
多摩美シアタープロジェクト びびび vol.2『大工』
9月11日~13日:埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
◆作・演出
柴幸男(ままごと)
◆ドラマトゥルク
野上絹代(FAIFAI)
◆応援団長
糸井幸之介
◆振付
近藤良平(コンドルズ)
◆出演
近藤良平(コンドルズ)
荒木結心
池田麻美
石本こだま
一木海南江
岩波龍之介
上田柊斗
岡井ロレン
猿田雅子
鈴江花恋
鈴木ベニ
橘莉杏
田中我門
TEWO
飛松思映
原田昊希
廣瀬功作
◆オンステージ・スウィング
尾藤桃奈子 室田樹希
【公式サイト】https://sdd.tamabi.ac.jp/bibibi
【公式X】@bibibi_sdd