今夜『ローマの休日』新録吹き替えで新たな輝き 過去には名声優たちが担当
関連 :
放送決定が発表されるや、すぐに大きな注目を浴びることになった「『ローマの休日』金曜ロードショーオリジナル新吹き替え版」。映画史に燦然と輝く不滅のラブ・ストーリーであるのは確かながらも、「令和のゴールデンタイムにモノクロ映画を放送する」かつ「吹替版を新たに収録する」となれば、映画ファン、吹き替えファン、声優ファンの賛否両論を巻き起こすのも当然だろう。今回は、彼女の吹き替えと言えば池田昌子が超定番のオードリー・ヘプバーンを早見沙織が、そしてこれまた城達也が超定番のグレゴリー・ペックを浪川大輔が担当する。2008年の『チャーリーとチョコレート工場』、2017年の『ジュラシック・ワールド』、2021年の『パラサイト 半地下の家族』など、吹き替えの新規収録に積極的な日本テレビ『金曜ロードショー』がまたもや仕掛けた野心作が、今夜21時からいよいよ放送されるのだ。
【写真】早見沙織&浪川大輔ら 『ローマの休日』新吹き替えキャスト陣
■とにかく可憐でキュートなヘプバーンを早見沙織が演じる!
初主演作にして見事にアカデミー賞主演女優賞に輝き、以降“永遠の妖精”として世界的に愛され続けるスター女優となったのがオードリー・ヘプバーン。過密スケジュールと自由のない毎日に嫌気が差し、表敬訪問で訪れたイタリア・ローマの滞在先から抜け出し、偶然知り合ったペック演じる新聞記者ブラッドリーとひとときの自由を謳歌するアン王女役を演じたが、その姿の優雅で可憐でとにかくキュートなこと! 世間知らずながらも凜としたたたずまいと、“本当の恋”を知ることで“本当の自分の役割”にも目覚めていく強い芯を持ったキャラクターだ。
前述の池田昌子を筆頭に、笠原弘子(『魔法騎士レイアース』鳳凰寺風役ほか)、鈴鹿千春(『Paradise Kiss』イザベラ役ほか)、すずきまゆみ(『リトル・マーメイド』アリエル役ほか)らが演じてきたアン役を今回担当するのは、早見沙織。『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶ役をはじめ数々の人気アニメに出演し、『フリー・ガイ』や『ナイル殺人事件』ほか実写吹き替えでも多くを経験してきた実力派だ。「子どもの頃、声優というお仕事を認識したきっかけが、池田昌子さんの吹き替えのオードリー・ヘプバーン作品を観たことでした」とコメントした運命的な作品で、どんな演技を披露しているかが大いに気になる。
■アン王女を優しく包むジョー(G・ペック)役は浪川大輔
アン王女を未知の世界へと連れ出し、やがて惹かれ合う新聞記者ジョー・ブラッドレー役を演じたのが、名優グレゴリー・ペック。すでにアカデミー賞ノミネートを何度も経験して大スターだったにもかかわらず、無名だったヘプバーンの才能を見抜いてサポートし、作品を大成功に導いた立役者のひとりでもあった。
独占スクープ狙いで、当初は身分を隠してアンに接近する邪(よこしま)な男ながらも、心根は優しく真摯な大人のキャラクター。そんなジョーを、これまでは城達也、多くのケビン・コスナー作品で知られる津嘉山正種、マイケル・ダグラスの吹き替えでおなじみの小川真司らが演じてきた。そして今回は、子役時代に『E.T.』『グーニーズ』の主人公の吹き替えを務め、実写作品ではイライジャ・ウッド、ヘイデン・クリステンセンらを担当、アニメでは『ルパン三世』の石川五ェ門役などを務めている浪川大輔が演じる。初となるペックの吹き替えについては、「とても空気感のある役者さんなので本当に緊張します」とのコメント。「名作中の名作なので、喜びとともに、驚き、プレッシャーが同時に押し寄せてきました」と心情を明かしている。