今夜『正直不動産』最終回! “永瀬財地”山下智久の正直すぎる“名(迷)言”を振り返る
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■「正直営業をして考えが変わった。俺たちと客との本当の関係は契約書にサインをしてから始まる。生活の拠点を仲介するってことはその人の人生を背負うことだ」(第6話「仕事をする理由」より)
ドラマ『正直不動産』第6話 永瀬と桐山が大型案件のためにタッグを組む (C)NHK
嘘がつけなくなったことで、はじめは四苦八苦していた永瀬だが、次第に客と真っすぐに向き合うことにやりがいを感じ始める。第6話のこの言葉からは、永瀬の価値観が大きく変わったことが見て取れる。この時、桐山には綺麗事と言われてしまうが、永瀬はこれが本心なのだと話していた。
■「社長、俺、この会社に入ってよかったです。必ず日本一、いや世界一の不動産屋にして見せます」(第8話「信じること」より)
危うく地面師に騙されそうになるも、なんとか回避した永瀬。実は登坂社長(草刈正雄)は、永瀬の仕事相手が地面師だと薄々感づきながらも、永瀬に契約を任せていた。それに疑問を持った永瀬が社長に問うと「お前はあの時、相手を信じると言った。だから私もお前を信じた。地面師に騙されたとしても、永瀬を信じた私が責任を取れば済むことだ。永瀬、そもそも、私は(初めて出会った)13年前にお前にかけた。人を信じるということは相手に全てをかけるということだ。裏切られたとしても、それはかけた自分の責任でしかない」と返す。
ドラマ『正直不動産』第8話 地面師に騙されそうになる永瀬 (C)NHK
登坂社長は登坂不動産を立ち上げる以前、大手不動産の営業だったが、地面師にだまされ会社を辞めた過去を持っていた。実際は地面師の疑いを上司に主張するも聞き入れられず、最終的に責任を押し付けられ、会社を去る羽目になったのだ。そんなかつての自分の境遇を重ねつつ、たとえ今回永瀬が騙されても、自分は決して部下に責任を押し付けたりはしないという登坂の成長と密かな覚悟。照れくさそうに「今さらそんなこと聞くなよ」という粋なセリフも秀逸だ。
これを聞いた永瀬が登坂社長に宣言した「社長、俺、この会社に入ってよかったです。必ず日本一、いや世界一の不動産屋にして見せます」の本心がなんともすがすがしい。社長と永瀬の心暖まる信頼関係は本作の見どころのひとつでもある。
■「彼女(花澤)には彼女のやり方があるように、月下には月下のやり方があるでしょ。必ずいい営業になる。俺が保証する」(第9話「決戦!眺めのいい部屋」より)
ライバルの花澤と一騎討ちとなるも完敗してしまった月下。キャリアも、背負うものも大きな花澤の存在は、まだまだ月下にとっては超えられないものだった。落ち込む月下に永瀬が投げかけたのがこの言葉だ。花澤に勝つのは無理だとはっきり言いながら、比べるものではないと優しく諭す永瀬。今や相性抜群となった永瀬と月下のバディ感にほっこりした視聴者も多かったのではないだろうか。
かつて不動産屋を志した時、誰よりも真っすぐだった永瀬は、営業成績や利益のことを考えるあまり、ライアー永瀬に変わってしまった。だが正直者になることで、再び大切な感情を取り戻していくことに。誰かに対して正直であることももちろん大切だが、何より一番大亊なのは自分に対して正直であることなのではないか。永瀬が「正直営業」を通して生き生きと仕事をしている姿は、そんな大切なことを思い出させてくれる。今夜の最終回ではどんな名言が飛び出すのか、永瀬の勇姿を見届けたい。(文:Nana Numoto)
ドラマ『正直不動産』最終回(第10話)は、NHK総合にて今夜22時放送。