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酷評ムードが公開後一変 それぞれの思いが生んだ、新作『SLAM DUNK』への反響

アニメ

■アニメではなくバスケットを 実写のような試合描写

 期待と不安渦巻く中で迎えた公開日。肝心の本編はどうだったか。まず、劇中で描かれた湘北高校と山王工業のバスケットの試合描写に圧倒された。不安視されていたCG作画については、むしろCGでよかったとさえ思う。想像以上に漫画らしいタッチは、原作のキャラクターがそのまま動いているようだった。

 赤木剛憲と河田雅史、三井寿と一ノ倉聡、宮城リョータと深津一成、流川楓と沢北栄治、桜木花道と野辺将広。コート上の選手全員が、それぞれ自分の役割を全うしようと動いている。なんとなく配置されているわけではなく、画がしっかり芝居をしている。見せ場では時間の流れに緩急をつけるなど臨場感を上げる演出は要所で使われてもいるが、必要以上に派手な演出はない。アニメというより、まるで本物のバスケの試合を見ているようだった。

 その中で、度肝を抜かれた表現がある。それは桜木の、素人同然ゆえに経験者のなかでは浮いてしまう動き、そして素人同然なのに経験者を圧倒する身体能力の高さの表現だ。

 素人同然の動きは、具体的に経験者とどう違うのか。また、桜木の超人的能力、例えばゴール下で他の選手が1回飛ぶ間に2回以上飛ぶ、これは具体的にどう動いているのか。漫画ではコマとコマの間を想像で補うしかなく、脳内でいまひとつぼやけていたモーションがスクリーンで、完全に補完されていく。この感覚には本当に鳥肌が立った。

 挿入曲を極力排除した音楽面の演出も印象的。バッシュとボールの音、応援がやけに響く。余計な音がなく、アニメとしては不自然なほど静かに試合が進行していくからこそ、見せ場での効果音や音楽がより強く生きる。

 原作の特徴でもあったコメディタッチの画がないことには寂しさも感じたが、メリハリを効かせながら可能な限りリアリティを追求した動きと音は、アニメではなくバスケットを見せようという意図のようにも感じられた。

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■大胆な構成で追加された新エピソード

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