酷評ムードが公開後一変 それぞれの思いが生んだ、新作『SLAM DUNK』への反響
劇中で描かれる試合は、後半がメイン。50話を超える大ボリュームで描かれた原作の試合をそのまま見せるのではなく、前半を大幅に削ることで原作では描かれなかったエピソードにかなりの尺を割いている。
追加シーンの中心は宮城リョータ。原作では、中学以前の描写がほとんどなかった宮城だが、幼少期からの家族とのエピソードが丁寧に描かれていく。父と母、妹、そして尊敬する兄。全国大会からリストバンドの色が変わった理由。先輩・三井との意外な出会い。このほか、高校No.1プレイヤー・沢北の新たなシーンも追加されている。ケタ違いの実力を持つ沢北がライバルに飢え、涙を流す様子も印象的だ。
逆に、原作の名シーン“ワルモノ見参”、“魚住のかつらむき”、“見てるか谷沢”、“感情的になるな”など、それまでの人間関係の説明が必要な場面は大胆にカット。新しいシーンの見せ方が独特で試合のテンポが分断されるという印象もあったが、噂されていた『ピアス』の要素を矛盾なく組み込み、本作でフォーカスする“痛み”が丁寧に表現されていた。