『SLAM DUNK』永遠の謎も 宮城リョータだけじゃない! どうしても気になる未公開エピソード
魅力的なキャラクターが数多く登場する『SLAM DUNK』だが、作中に1人、圧倒的に実力と活躍のバランスが悪い人物がいる。それが海南大附属のフォワード・武藤正だ。
海南は神奈川代表として17年連続でインターハイに出場し、ついに全国2位まで上り詰めた神奈川の絶対王者である。そんな全国屈指の強豪校で3年の武藤はスタメンとして出場しているのだ。絶対にすごい選手だと断言できる。
なのに、湘北戦では桜木のシュートミスをリバウンドするぐらいしか活躍の描写がなく、陵南戦では何もしていない。全国大会1回戦の馬宮西戦に至ってはその姿さえ見当たらない。テレビアニメ版では活躍の場が増やされたが、同時に性格に難のある人物として描かれてしまった。
武藤の悲劇はこれだけではない。湘北戦の終盤、控えの宮益義範と交代させられた際は、高頭監督に「これで(海南に)もう小細工はない」と断言されてしまい、海南の選手がそろうコマでは、なぜか武藤だけが描かれていないことが多い。
そんな武藤が最も存在感を感じさせたのは、湘北vs山王戦。山王の松本稔というプレイヤーに対し、「沢北がいなけりゃどこでもエース張れる男さ」と言うシーン。山王の選手層の厚さを物語るセリフではあるのだが、他人の試合に向けてのものであり、もはや活躍させられない理由でもあるのかと疑ってしまう。
残念ながら漫画では不遇キャラで終わってしまったが、もし今後も新作が出るとするなら、少しでもいいから海南のスタメンたる所以を見せてほしいところである。