「秋ドラマ」“期待度ランキング”上位3作品、第1話は実際どうだった? 徹底レビュー
ドラマ『いちばんすきな花』主演の(左上から時計回りに)多部未華子、松下洸平、神尾楓珠、今田美桜
輝く1位を獲得したのは、多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠がクアトロ主演を務める『いちばんすきな花』(フジテレビ系/毎週木曜22時)だ。『silent』(フジテレビ系)で注目を集めた村瀬健プロデューサーと脚本家の生方美久が再タッグを組んだ本作は、“友情”や“恋愛”にまつわる人間関係を繊細に描く。
あれだけ注目を集めた『silent』の制作陣によるドラマという上に、実力も話題性も抜群のキャストが4人も主演となることから、「秋ドラマ」期待度ランキングで1位を獲得するのも頷ける。SNSでは「学生時代の自分を見ているようで苦しくなる」、「刺さるセリフが多すぎる」など内容についての言及も多かった。誰しもが経験する日常の中の小さな“気付き”について問題提起してくれる作品だ。
第1話を観て魅力を感じたのは、真面目に人間関係に立ち向かう内容でありながらクスリと笑えるユーモアがちりばめられているところだ。それぞれのキャラクターのあまりにシビアな悩みばかりが連ねられるだけでは気が滅入ってしまうところだが、難しい題材でありながらさりげなく笑える演出や、役者陣のテンポの良い掛け合いで面白さを引き出している。松下洸平の演じる春木椿が婚約破棄をした時、自宅の植え込みに作った「オクサマの墓」はそのユーモアの最たるものだろう。2話以降も珠玉のセリフの数々と共に、クスリと笑える演出を楽しみにしたい。
今期も注目作品ばかりの秋ドラマ。やはりランキング上位の作品はどれをとっても、クオリティの高さを感じる。連ドラの魅力はなんといっても、後半までに物語が二転三転と大きく動くところだ。この後の展開も見逃せない。(文:Nana Numoto)