2024年上半期ドラマ 魅力的だった俳優は?
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2024年も間もなく上半期が終了。1月期、4月期に放送されたドラマも最終回を迎えた。ここでは上半期に放送されたドラマの中から、強い印象を与えてくれた俳優たちを振り返る。
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■阿部サダヲ『不適切にもほどがある!』
阿部サダヲ
2024年1月期にTBS系金曜ドラマで放送された本作。脚本を務めた宮藤官九郎と阿部は「大人計画」や、バンド「グループ魂」で時間を共にするなど盟友と言ってもいい存在だが、民放ドラマで主演、脚本家としてタッグを組むのは初。しかし、阿部の真骨頂と言える緩急の効いた芝居を存分に活かせる脚本には舌を巻いた。
阿部が演じるのは、昭和を生き“地獄のオガワ”と異名を持つコンプライアンス無視の体育教師・小川市郎。なぜかタイムスリップして令和にやってくると、言いたい放題、やりたい放題。令和の若者の口をあんぐりとさせるような演技で物語を引っ張る。
阿部と宮藤と言えば『池袋ウエストゲートパーク』の浜口巡査や、『木更津キャツアイ』の猫田など、作品をかき回すようなキャラクターで躍動していたが、今回は主演。自身が物語の中心として進むストーリーで、どこまで無茶ができるか、阿部自身もインタビューでは「チャレンジ」と捉えていたが、大胆で枠をはみ出すような芝居をしつつ、しっかりとハートフルに演じ切った。宮藤脚本の魅力である笑いとセンチメンタルの融合を体現できるのは、やはり「阿部サダヲ!」と思わせてくれる圧倒的な芝居だった。