「噛みしめるほど秀逸」「ずっと泣きっぱなし」 あす最終回『銀河の一票』名言を振り返る【Part2】
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ドラマ『銀河の一票』 (C)カンテレ
番組スタート当初から多くの視聴者の関心を集めていたのが野呂演じるあかりの過去。出馬表明会見までの過程が描かれた第7話で、ついにあかりの過去が明らかに。かつて、あかりは公立中学の養護教諭として働いていた。10年前、彼女は不登校の状態から保健室登校へ切り替わった生徒・鈴原ほのか(根本真陽)と親交を深めていく。ほのかが趣味で作っていた人形を高く評価し、孤独に寄り添っていくあかり。しかし、ほのかはそれまでのめり込んでいた人形作りに加えて、保健室へ行くことも母親から禁止されてしまう。
母親への不信感と怒りから家を飛び出したほのか。思わず街中で「死ぬって言う!! お母さんに!!」と絶叫する彼女に対して、あかりは「ダメだよ! ダメ!」と制止し「“死ぬ”っていう言葉をそういう風に使うとね…取引に使うとね、戻らなくなっちゃうよ…うまくいってもいかなくても、苦しくって…いつか本当に死ぬしかなくなっちゃうよ」と真剣に語りかける。そしてあかりは「鈴原さん…なんとか…なんとか大人までたどりつこう」と呼びかける。
しかし、ほのかはその直後に母親と口論になり自殺未遂を図ってしまう。あかりはほのかが語った“死ぬ”という言葉について振り返り「取引じゃなく“賭け”だった。私はそれも分かってなかった」と茉莉たちに語る。10年前のほのかの言動にあかりは自問自答を繰り返すが、生徒に寄り添い、生きてほしいと願う気持ちは紛れもない本物だ。
ドラマ『銀河の一票』 (C)カンテレ
小中高生の自殺率は残念ながら増加傾向にある。2026年1月には厚生労働省が2025年の自殺者数を公表し、小中高生は過去最多の数となった。劇中で蛍(シシド・カフカ)が子どもの自死について「ゼロにする」と決意したように、子どもが安心して生きられる社会は、大人が意識をもって用意しなければならない。
■カメラを向けて声を届ける
都知事選挙を通して“日本の政治”を描く本作は、この社会が乗り越えるべき課題にも次々とカメラを向けていく。第5話では障がい者雇用や子育て世代の家庭を悩ませる“小1の壁”が劇中で話題に上がった。さらに第7話では、茉莉やあかりが政策づくりのために当事者ヒヤリングを行うことに。小学校PTA、保育士、子育て中の女性、聴覚障がい者、視覚障がい者、障がい福祉サービス事業所のスタッフと真剣に向き合う主人公たちの姿は、ドキュメンタリー番組を彷彿とさせるカメラワークも相まって、虚と実の“あわい”を絶妙に描き出した名場面となった。
上記に限らず、このドラマは社会で共有すべき声や視点をセリフで届けてくれる。例えば、暴露系YouTuberの白樺透(渡邊圭祐)と視覚障がい者の青年・明(望月歩)の出会いと友情が描かれた第6話では、明が自身の境遇について「不幸だとは思わないけど不便」と語りつつ、その不便さについては「社会は見えてる人用にデザインされている」と指摘する。
ドラマ『銀河の一票』 (C)カンテレ
また第8話の冒頭では、鷹臣の後妻で車いすユーザーの桃香(小雪)が、レストランで従業員から“車いすユーザーを迎える設備がない”ことを理由に入店を拒否されてしまう。予約サイトに記載もなく、店頭でいきなり入店を拒否されたことに憤る桃香と友人たち。後ろにいたカップルが、店員の説明に屈しない桃香たちに対して思わず不満を口にする。カップルの声が聞こえた桃香は振り返ると「行きたいところに入りたいの。あなたたちだってそうでしょ?」と笑顔で語りかける。
明や桃香の言葉から、気付きや学びを得た視聴者は少なくないはずだ。

