女優でも歌手でもないセレブの無料アプリゲーム、なぜアメリカで大ヒット?

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女優でも歌手でもないキム・カーダシアンは、日本での知名度こそ低いが、アメリカの女性たちには強く支持されているセレブリティ。そんなカーダシアンのゲームアプリ『Kim Kardashian:Hollywood』がアメリカで大ヒットしている。
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2ヵ月ほど前にデビューしたこのゲームは、ダウンロード自体は無料だが、アプリ内課金で儲かるようになっており、収益面で現在、iPhoneアプリのトップ5位圏内、グーグルプレイでも10位以内に君臨(8月19日時点)。このペースでいけば、来年夏までに2億ドルを売り上げるとも推測されている。
カーダシアンのブレイクのきっかけとなったのは、母、姉妹たちとの裕福なライフスタイルを見せるリアリティ番組『Keeping Up With the Kardashians』。番組の外でも、女性ファンたちへの影響力を利用してツイッターなどでコメントをして企業から高額のギャラをもらっているほか、香水のプロデュースやブティック経営などさまざまな分野に手を広げ、年収は2800万ドルと言われる。
2011年8月のNBA選手クリス・ハンフリーズとの結婚式もテレビ放映され、大きな話題を呼んだが、夫婦はわずか72日で破局。その直後からカニエ・ウェストと噂になり、昨年6月に長女を出産、今年5月に結婚式を挙げた。とにかく、常にマスコミをにぎわせ続けている女性なのだ。
このゲームアプリがヒットした理由の一つとして、彼女にあこがれる女性たちに、ほんの少しだけでも、その華やかな世界を味わうことができる特徴があげられる。
たとえば、ブティックの店員が閉店しようとしていたところにカーダシアンが現れ、「緊急で新しい服が必要になったのだけど」と言い、ゲームのプレイヤーは、有名人の彼女のために特別に店を開けてあげるべきかどうか選択を迫られる。ほかにも、ゲームの中には、写真撮影、デートのシーンなどのシチュエーションが登場。途中でほかのゲームの広告が出てくるのも、さらなる収益につながっている。カーダシアンは、収益の50%を受け取る契約になっているらしい。
何よりも特筆すべきは、普段、スマホでゲームをする習慣がまるでなかった女性たちを引き込んだことだろう。これとは別に、数日前には、トム・ハンクスがiPad用タイプライターアプリを開発したと発表した。カーダシアンのケースとは対象的に、こちらは、古き良きタイプライターを愛する特定の世代にアピールすると思われる。ハリウッドセレブたちのおかげで、アプリの市場はますます拡大していきそうだ。(文:猿渡由紀)