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番組の運命を決めるのは視聴者 生き残りをかけたアマゾンのドラマ制作

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アマゾンが制作したクロエ・セヴィニー出演ドラマ『the cosmopolitans』(サイトスクリーンショット)
アマゾンが制作したクロエ・セヴィニー出演ドラマ『the cosmopolitans』(サイトスクリーンショット) クランクイン!

 米Amazon.comがオリジナルの新番組を5本リリースした。書籍の販売でスタートしたこのウェブサイトは、今や電気製品や化粧品はもとより、新鮮な食品の同日配達にまで手を広げる一方、最近ではオリジナル番組の制作にも乗り出している。

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 このオリジナル番組はプライム会員がダウンロードして見られるというもので、テレビ局を経由せず、コマーシャルもない。このアイデアの先駆けは、DVDレンタルサービスで始まったネットフリックスで、同社は『ハウス・オブ・カード 野望の階段』『Orange is the New Black(原題)』などのヒットを出し、大成功を納めている。

 やや遅れて参入したアマゾンの特徴は、ネットフリックスと違い、必ずしも1シーズンまとめて制作をオーダーしないこと。今回リリースされた5本の新番組も、現時点で見られるのは第一話のみ。見た一般視聴者は、ウェブ上で星をつけ、またコメントを書き込むことができる。それらを検討した上で、アマゾンが1シーズン目の制作にゴーサインを出すかどうかを決めるというシステムだ。

 第一話だけ作らせ、それを見た上で決めるというのは、アメリカのメジャーネットワークが長年行ってきたやり方。従来、アメリカの新番組開始シーズンは秋だが、その1年ほど前から数々の新企画が売り込まれ、その中から選ばれたいくつかに対して、テレビ局が、“パイロット”と呼ばれる第一話を作らせる。局が気に入れば放映決定となり、春ごろに新番組として発表されるが、気に入られなかった番組のパイロットは日の目を見ずに終わる。アマゾンは、そのプロセスに、一般視聴者を関わらせているわけだ。局側が勝手に「これは受けないだろう」「これは受ける」と決めつけるのではなく、「これはもっと見たい」「これはもう見たくない」と、見る側がリアルな反響を送ることで、番組の運命を決めることができるのである。

 新しくリリースされた5本の新番組の中には、オスカー候補女優クロエ・セヴィニーが出演するものや、『ワールド・ウォーZ』のマーク・フォースター監督が参加するドラマなどもある。だが、おもしろくなければ、それらの名前は何の意味ももたない。この中で生き残るのは、果たしていくつだろうか。(文:猿渡由紀)

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