ジョニデ、レオ、ブラピにアルバ… ホラー映画で育ったハリウッドスターたち
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女優にも目を向けてみよう。『ラストサマー』や『スクリーム』など学園ホラーの絶叫女優は数多くいるが、意外性でいえばジェシカ・アルバだ。デビュー作ではないものの、1999年、『25年目のキス』と共に注目を浴びたホラー『アイドル・ハンズ』は衝撃だった。
悪魔が取り憑いた少年の“右手”に少女ジェシカが襲われるというB級感たっぷりの映画だったが、この2作品で波に乗り、翌年、ジェームズ・キャメロン製作総指揮のSFテレビシリーズ『ダークエンジェル』の主演に大抜てきされる。
ちなみに、キャメロン監督も、今でこそ巨匠として映画界に君臨しているが、彼の長編監督デビュー作は、ジョー・ダンテ監督作『ピラニア』(78)の続編『殺人魚フライングキラー』(81)。完成後、「クレジットから外してくれ」と直訴するほど納得のいかない作品だったようで、巨匠もまた、低予算のB級ホラーを撮りながら、もがき苦しみ大きくなった。
そのほか、『処刑教室‐最終章‐』(未)のブラッド・ピット、『ハイスクールはゾンビテリア』(未)のジョージ・クルーニー、『スティーブン・キング/アーバン・ハーベスト2』(96)のナオミ・ワッツ、『悪魔の寄生虫パラサイト』(未)のデミ・ムーア、さらにカメオ出演ながら『ドリラー・キラー』(未)のブルース・ウィリスなど…枚挙に暇がないとはこのことだ。
ホラー映画は「若手俳優の登竜門」とよく言われるが、確かに演技の未熟な部分を怯えや絶叫でなんとか乗り切る、という点では、最初の第一歩として最適な場所なのかもしれない。
もちろんその中で、なんらかの爪痕を残した者だけが大スターへの切符をつかんでいることも、また事実。あの往年の名優スティーヴ・マックィーンだって、『マックイーンの絶対の危機(ピンチ)』(65)でアメーバと必死に戦ったからこそ、大スターの座をつかみ取ったのだから。(文:坂田正樹)