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『ドキュメント72時間』、人々が本音をこぼす撮影の裏側

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『ドキュメント72時間』ロケ現場の様子
『ドキュメント72時間』ロケ現場の様子

 俳優・山田孝之が北区赤羽で過ごした2014年の夏を記録した『山田孝之の東京都北区赤羽』が話題になったことが記憶に新しいが、今、変化球なドキュメンタリー番組がおもしろい。NHKで放送中の『ドキュメント72時間』(毎週金曜22時55分放送)も中毒性が高い番組のひとつ。そこで、ドキュメンタリーの魅力を探るべく、番組を制作するチーフ・プロデューサー相沢孝義氏に話を伺った。

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 “病院にあるコンビニ” “大阪・西成の貸しロッカー屋” など、ある場所や一定のエリアを72時間映し出す同番組は、2006年に第1シリーズ、2012年夏季限定スペシャルを経て、2013年から第2シリーズがスタート。昨年の年末に放送されたスペシャル版に出演したマツコ・デラックスが番組のファンだと公言して話題になり、番組放送後、ネット上では「涙しながら観てしまった」「いつもながらネタ集めに感心する」「今まで知らなかったディープな世界だった…」など、さまざまな意見が挙がる。

 「事前に綿密に調査をした後に、何を描くべきなのかテーマやゴールをなんとなく見極めてから撮影を始めるのが従来のドキュメンタリーなのですが、この番組は違います。取材交渉のプロセスからすべて見せて、3日間の限られた時間内に偶然撮れたもので番組を組み立てていきます」と相沢氏。

 「時々、『誰かに胸の内を聞いてほしい』と思っている方にタイミングよくインタビューができ、会話のキャッチボールがうまくできる瞬間がある。そんな過程もカメラが生々しく映し出している。このスタイルが新鮮に映ったのか、番組宛てに視聴者が書き込んだSNSを拝見すると、ドキュメンタリー離れと言われていた若い方たちからも支持をいただいているように感じます」。

 著名人や騒がれる社会問題ではなく、身近な人々にカメラを向けていることが何よりの魅力。「視聴者には、身近な世界で生きる人たちの意外な人間ドラマや、ぽろりとこぼれる本音が響いたりするのではないでしょうか。制作している我々もそうなので(笑)。何気ないやりとりを通じて、こちらの予断や先入観が覆されることもあったりする。こうした“ありふれた場所の思いがけない発見”のようなものが、反響をいただけている理由なのかもしれません」。

 また、なんといっても取材場所がユニーク。秋田のそば・うどんの自販機前や、歓楽街のにぎりめし屋など、身近なのに知らなかったディーブスポットに目を付けている。「取材場所は、一番気にするところです。時間帯や曜日によっても老若男女問わず来るというような場所、いろんな方が来る場所を選んでいます」。

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