美人女優がカルト集団に惨殺された…50年前の“シャロン・テート事件”とは?

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クエンティン・タランティーノ監督の最新作にして、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットという2大スターが共演する『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(以下『ワンス~』)が30日に公開される。2人が演じるのは架空の人物だが、実在の女優シャロン・テートも登場する。本作の終盤で描かれるのが、彼女が惨殺された“シャロン・テート事件”だ。
【写真】美しすぎる…シャロン・テート本人
本作は、落ち目の俳優リック(ディカプリオ)と、彼のスタント・ダブル(危険なシーンを代わりに演じる代役)を長年務めるクリフ(ピット)の友情を軸に、1969年のハリウッドのとりとめのない日常を描いているが、その先で待っている“事件”を知って観るのと知らずに観るのでは、大きく印象が変わる。
1943年生まれのシャロンは、22歳のときにスクリーンデビュー。現在も活躍中の映画監督ロマン・ポランスキーと、彼の監督作『吸血鬼』に出演した縁で1968年に結婚する。同年にはブルース・リー(『ワンス~』ではマイク・モーが演じる)監修のもとでアクションにトライした『サイレンサー第4弾/破壊部隊』が公開。ポランスキーとの第1子妊娠も分かり、私生活、女優としてのキャリアともに順分満帆だった。1969年8月9日までは…。
シャロン・テート本人 写真提供:AFLO
その日の深夜、シエロ・ドライブ10050番地にある2人の自宅の前に、4人の若い男女の影があった。スーザン・アトキンスら4人は、チャールズ・マンソンを信奉する「マンソン・ファミリー」。当時ポランスキー監督は仕事でロンドンに滞在中で、家には妊娠8ヵ月の妻シャロンと、夫婦の知人3人が滞在していた。
外の4人はまず、偶然通りかかった男性を家の前で銃殺し、見張り役として1人を残して敷地内に侵入。その後、家にいた夫婦の友人3人を次々に惨殺していった。逃げ惑う彼らを追いかけ殺し、そのうちの1人は28回も刺されていたとのこと。最後に残ったシャロンは「赤ちゃんだけは助けて」と哀願したというが、スーザンは容赦なく胎児ともども彼女を刺殺。玄関には、シャロンの血で「Pig(豚)」と書き残されていた…。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』より
この凄惨な事件の犯人らは、その翌日にもメンバーを入れ替え、ロサンゼルスに住む資産家のラビアンカ夫妻を襲い、同様の手口で殺害。一連の事件は、あまりの凄惨さに大きな注目を集め、世界中に衝撃を与えた。