日向坂46・小坂菜緒、引っ込み思案な小中校時代 センターは「孤独」から「覚悟」へ
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■センターへの思い「孤独感」から「覚悟」へ
曲ごとのポジションでメンバーの命運が左右されるのは、坂道シリーズの伝統。けやき坂46もけっして例外ではなく、二期生初のオリジナル曲「半分の記憶」(欅坂46の6thシングル「ガラスを割れ!」収録)で、センターに選ばれたのが小坂だった。
ただ、当時の彼女は「私がセンターで納得してる子なんて、ひとりもいないんだろうな」(※3)と悩んでいた。自身の評価と周囲の期待に挟まれた少女は、誰もが憧れるはずのポジションに立ちながらも「周りのメンバーが自分のことをどう思っているのか」(※4)と、込み上げてくる重圧や選ばれた者だけに押し寄せる孤独感と常に戦い続けていた。
しかし、活動を重ねるにつれて彼女は、メンバーたちが「背中を支えてくれてたんだ」(※5)と気が付いた。きっかけとなったのは、2018年12月11日から13日にかけて日本武道館で行われたけやき坂46の単独ライブ「ひらがなくりすます2018」であった。
日向坂46・小坂菜緒 2019年の主演映画『恐怖人形』インタビュー時に撮影
リハーサル中、自身がセンターを務める曲『JOYFUL LOVE』の初披露にプレッシャーを感じていた小坂。そんな彼女に対して、先輩の一期生や同期のメンバーたちは次々と「大丈夫だよ」(※6)と声をかけてくれた。
自分一人ではない。改名して以降も、メンバーの温かさを受けながらセンターに立ち続ける彼女は、自身のポジションについて「楽しさよりも、怖さや不安の方が正直大きい」と本音をにじませる。
ただ、今はもう怯えるばかりではなくなった。センターに対して「逃げ出したくても逃げられない」と覚悟を決めた彼女は、たくさんの観客を前に堂々としたパフォーマンスを見せてくれている。
4月には坂道研修生から高橋未来虹、森本茉莉、山口陽世が加入し、グループにも変化が訪れた今。センターとして、小坂がどのような強さを見せてくれるのか。12月6、7日に予定されているグループ初の東京ドーム公演に向けて、期待も高まる。(文:カネコシュウヘイ)
※1、2『日向坂46ストーリー』P208 ※3『同』P239 ※4『同』P315 ※5、6『同』P316 ※高橋未来虹の「高」は「はしご高」が正式表記