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今期ドラマ3本出演 “正統派”なだけじゃない若手俳優・岡田健史の魅力

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岡田健史
岡田健史 クランクイン!

 2018年に有村架純主演『中学聖日記』(TBS系)で衝撃的デビューを果たした現在21歳の岡田健史。キャリア2年足らずの彼だが、今、金曜日の異なるドラマで3つの表情を見せている。

【写真】『MIU404』星野源が撮影 岡田健史の“素顔ショット”

■金曜放送ドラマ3本に掛け持ち

 綾野剛と星野源のダブル主演ドラマ『MIU404』(TBS系/毎週金曜22時)で父親が警察庁刑事局長の新米キャリア・九重世人。もう1つは、14日に最終話を迎える『大江戸もののけ物語』(NHKBSプレミアム/毎週金曜20時)で妖怪たちと交流する旗本の次男坊・新海一馬。さらに、ネット配信から地上波放送された『いとしのニーナ』(フジテレビ系/毎週金曜24時55分)で、幼なじみが起こした拉致事件をきっかけに、憧れの美少女・ニーナのボディガードをする男子高校生・外山厚志役だ。

■「正統派」がデメリットにならない理由

 ピンと伸びた背筋や、整った顔立ちは、『MIU404』のスーツ姿も『大江戸もののけ物語』の月代(さかやき)と和服姿も、『いとしのニーナ』の普通の高校生ファッションもサマになる。時代を問わず、誰が見ても間違いない正統派だ。ただし、昔から「美人は3日で飽きる」と言われるように、さらに「実力派」「個性派」が高く評価される今の時代においては、特に若いうちの容姿の良さはむしろ強い逆風を受けるデメリットだってある。

 その点、岡田の演技の魅力は、ビジュアルよりもむしろ「反応のビビッドさ」にあると思う。

 『MIU404』では頭でっかちで理屈っぽい、面倒臭いエリートに見える一方で、時折見せる屈折した表情が妙にひっかかる。かと思えば、第5話(7月24日放送)では同時多発のコンビニ強盗事件を追うなか、投稿につけられたタグの意味を解読。志摩(星野)に電話して「隠語みたいなもんったい! 水森は強盗を集める気がなかとですよ!!」「…やったばい」と方言丸出しでつぶやくシーンが描かれた。理論武装で固められた九重の感情がむき出しになるシーンは生々しさがあった。

 また、『大江戸もののけ物語』では、本郷奏多、森川葵など、若手の演技巧者たちに囲まれつつ、根っからののんきさや明るさ、鈍感さゆえの強さと、妖怪たちとの交流の中で変わっていく距離感を表情豊かに見せている。『いとしのニーナ』の場合は、平和な家庭で育った素直さと単純さ、保身に走る小心者感、青臭さを併せ持つ「等身大の男子」がしっくりきている。

■テクニックでない、ビビッドな反応の面白さ

 正直、現時点では繊細な芝居を見せるタイプではない。しかし、岡田の強みは、決して器用ではないところにあると思う。

 器用ではないからこそ、与えられた役について、ひたすら考える。『いとしのニーナ』のインタビューでは「厚志だったら、普通に朝ご飯を食べているときも『ニーナがこれを食べたらどんな顔するだろう』と考えるだろうし、空を見上げても、『この空はニーナにはどんなふうに見えるだろう』などと考えるんじゃないかと」と岡田本人が語っていたが、自分自身の日常に置き換え、あらゆる場面でその役として生きようとする真摯(しんし)さがある。

 また、『もののけ』で共演している本郷は、岡田について「カメラが回っていないときも一人でイメージトレーニングやセリフ回しの練習をして。少しでも良いものを提供しようという姿勢が見える素敵な役者さん」とインタビューで語っていたが、こうした全力投球ぶりも若々しくて良い。とはいえ、一人の作業で突き詰めていく「役作り」は、ときに一人よがりになったり、作品の中で浮いてしまったりする危険性も伴う。その点、岡田の場合は、相手とのやり取りの中で見せる表情・反応が、何よりビビッドで面白いのだ。

 おそらく必死で役について考えた上で、相手とのコミュニケーションでわいてくる感情を大切にし、それを自然に放出する。真面目さと、人懐こさ、「受信力」の高さが生むものなのか、テクニックで見せる芝居と違い、その反応は視聴者の予想をちょっとハズしてくる場合も多い。そのハズし方は、視聴者に驚きと新鮮さを与え、「え? この場面で笑う? 一馬ってアホなヤツだなあ」と思わず笑ってしまったり、「この場面で平然とした顔しているなんて、意外と篤志って強いのかも」と思えたりする。岡田の意外な表情・反応から、演じるの人物の意外な一面に気づかされることもあるのだ。

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