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マイケル・ベイ「僕がやっているのは“死にゆく芸術”」 リアル・アクションへのこだわりと進化

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映画『アンビュランス』マイケル・ベイ監督
映画『アンビュランス』マイケル・ベイ監督(C)2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

 90年代、監督デビューからの2作品『バッド・ボーイズ』『ザ・ロック』で数多の車を実際に大破させ、その爆発をスローモーションで捉えるなどのアクの強い作風で異彩を放ち、観客を熱狂させたマイケル・ベイ。その後、『アルマゲドン』『パール・ハーバー』でメガ・ヒットを放ち、とうとう爆破させるだけでは飽き足らず、2000年代には車を変形(トランスフォーム)させた『トランスフォーマー』シリーズで巨匠スティーヴン・スピルバーグにも認められた男。だが、ハリウッドでは今、かつてベイが作ってきたようなリアル・アクション映画はめっぽう減り、時代はマーベルやDC映画をはじめとしたスーパーヒーロー映画が主流だ。ベイ監督はこの状況に何を思うのか。最新作『アンビュランス』でも文字通りのド派手アクションを連発したベイ監督に、話を聞いた。

【写真】ほぼロケ撮影『アンビュランス』迫力のメイキング!

「爆発の中を走れ!」 19歳のドローン天才少年が生んだ驚がく映像

 マイケル・ベイは、ただリアル・アクションにこだわるだけではない。毎作品、新しい撮影技術を生み出そうと試行錯誤している。そんな彼が最新作で新たに取り入れたのが、ドローンを用いた撮影だ。

 「ドローン撮影は退屈な映像になることも多いから、今まではあまり使ってこなかった。でも今回の方法は画期的だよ」とベイが自信を見せる通り、本作での高速アクションには驚がくしきり。回転しながらビルのてっぺんに駆け上がったと思えば、地上に向けて高速で落下する。車の下を猛スピード駆け抜け、爆走する救急車を追走して並走する。ドローンが生んだ「FPV=ファースト・パーソン・ビュー(一人称視点)」ショットの数々は、観客に観たことのない映像体験をもたらしている。これらを実現したのは当時19歳のドローン・レーシングの世界チャンピオン、アレックス・バノーバー(Alex Vanover)をはじめとするドローンの天才少年たちだ。

映画『アンビュランス』メイキング (C)2022 Universal Studios. All Rights Reserved.
 「競技用のドローンをたくさん使った。おかげで素晴らしいショットが撮れたよ。ドローンを操っているのは19歳の少年たちなんだ。映画撮影は彼らにとって天国のようだったみたいだね。だから、僕は『ほら爆発の中を走れ!』『爆発を横切れ!』と言ったんだ」とご満悦の様子。新たな映像表現への挑戦に、確かな手ごたえを感じたようだ。

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「僕がやっているのは“死にゆく芸術”だよ」

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