津田健次郎、“イケボ”と評される自身の声は「変わった声」
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声優としてはもちろん、俳優としてもキラリとした存在感を発揮するなど、八面六臂の活躍を続けている津田健次郎。ブラッド・ピットが主演を務め、個性的キャラクターが超高速列車を舞台に暴れまくる映画『ブレット・トレイン』では、日本語吹き替え版キャストとして、腕利きの殺し屋タンジェリン役を生き生きと演じている。キャリアを重ね、役の幅も広げ続けながら、「芝居はやっぱり難しいものだと実感している」という津田。“イケボ”と評される艶やかな低音ボイスも「自分では変わった声だと感じていて。いろいろな役を演じられるタイプだとは思っていなかった」と告白した彼が、これまでの道のりとチャレンジ精神あふれる今の心境を語った。
【写真】声もビジュアルもかっこいい 津田健次郎、撮り下ろしフォト
■悪役を演じる醍醐味とは?
本作は、伊坂幸太郎のベストセラー小説『マリアビートル』をハリウッド映画化したミステリー・アクション。主人公となるのは、東京発・京都行きの高速列車でブリーフケースを盗むというミッションを請けた、世界一運の悪い殺し屋レディバグ(ブラッド)。身に覚えのない殺し屋たちに命を狙われた彼が悪戦苦闘する姿が描かれ、やがて殺し屋たちの過去と因縁がつながり観客を驚かせる結末が待ち受ける。津田は、殺し屋の一人で、レディバグを狙うタンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)の日本語吹き替え版キャストに抜てきされた。
中高生の頃から名画座に通うほどの映画好きで、ブラッド・ピットも大好きだという津田は、「吹き替え版のオファーを頂く前から、予告編を観ていて。“日本を舞台に、はちゃめちゃに暴れまくっている感じがものすごく面白そうだな”、“公開されたら絶対に観に行こう”と思っていたんです。そうしたらオファーを頂けて、“あの映画じゃん!”と思って。とてもうれしかったです」とにっこり。
タンジェリンは、幼い頃から一緒に育ったレモンとコンビを組んでいる殺し屋とあって、「レモンとオフビートな会話を繰り広げる感じがとても面白くて」とレモンとの掛け合いも楽しみながら、「殺し屋でありながら紳士的でもあり、それでいて短気。そういったギャップが魅力的」と役柄を分析。「本国版のタンジェリンは、意外と声が高いんです。アフレコ現場では、“ちょっとドスが効きすぎています”という演出を頂いて(苦笑)。これまで僕が演じてきた悪役とはまた違った、脱力感のあるキャラクターでもあるので、繊細に役を作っていきました」と述懐する。
たしかに津田は、影や憂いを帯びた声質や表現力を武器に、これまでも様々な悪役を演じてきた。悪役を演じる醍醐味について、「自由度が高いところはあるかもしれませんね。主役であったり、いい人や正義側のキャラクターはいろいろな制限がある場合もありますが、悪役の場合は、あまり“やってはいけない”という縛りが少ない」と語り、「本作には殺し屋ばかり出てくるので、全員が悪役のようになってしまうんですが(笑)、タンジェリンは、ダイナミックな行動に出たり、いいヤツな面もあったり、ブラピと戦う場面もあったりと、とても幅の広いキャラクター。演じていても、とても楽しかったです」と充実感をにじませる。