『ブレット・トレイン』伊坂幸太郎の原作を大胆アレンジした理由 <来日インタビュー>デヴィッド・リーチ監督&アーロン・テイラー=ジョンソン
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ブラッド・ピット最新主演作『ブレット・トレイン』でメガホンをとったデヴィッド・リーチ監督(『デッドプール2』)と、ブラッド演じる主人公と攻防を繰り広げる殺し屋を演じたアーロン・テイラー=ジョンソン(『キック・アス』シリーズ、『GODZILLA ゴジラ』)が来日を果たし、本作の撮影秘話を語った。
【写真】お茶目なデヴィッド・リーチ監督&アーロン・テイラー=ジョンソン
本作は、伊坂幸太郎の大ベストセラー小説『マリアビートル』を実写映画化したミステリー・アクション。世界一運の悪い殺し屋レディバグ(ブラッド)が請けたミッション、それは東京発の超高速列車“ゆかり号”でブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。簡単な仕事のはずが、次から次へと乗ってくる身に覚えのない殺し屋たちに命を狙われ、降りたくても降りられない。最悪な状況の中、列車はレディバグと殺し屋たち10人を乗せたまま終着点・京都に向かうが…。
■現実逃避ができるクレイジーな旅を作りたかった
伊坂の原作を、ハリウッド超大作としてダイナミックにアレンジを加え映画化した本作。この意図について、「作品を観ていただいた時に、“現実逃避”ができるような世界観というか、ちょっとクレイジーな旅を2時間の映画にしたかった」と明かしたデヴィッド監督。「だから、セットはもとより、キャラクターにもすごくこだわりました。衣装とメイクに関しては、素晴らしい役者陣と一緒にコラボレーションしながら、何かアイコニックなものになればいいなと思って、少し誇張した形で作っていきました。ポップで楽しい部分もあるので、好きなキャラクターのコスプレなどしていただけたらうれしいですね」と笑顔を見せる。
一方、ブラッド演じるレディバグがゲットしたブリーフケースを狙う謎の二人組“タンジェリン&レモン”のタンジェリンを演じたアーロンは、オーディションで役を勝ち取ったそうだが、「自分は本当に幸運だった」と振り返る。「オーディションに受かったことはもとより、新型コロナウイルスによるパンデミックの最中もちゃんと撮影ができたこと、そして何より、憧れのブラッド・ピットと共演できたことは本当にラッキーだった。この作品を携えて、ずっと行きたいと思っていた日本へ来られたことが夢のようだよ!」と声が弾ける。
謎の二人組“タンジェリン(右)&レモン(左)”
タンジェリンというキャラクターもお気に入りのようで、「脚本を読んでみると、キャラクターが飛び出てくるような、そんな印象がありました。リアルよりもちょっと大袈裟にした感じがミソだと思いますね」とご満悦。衣装もキャラクターを表現する重要なアイテムだと語るアーロンは、タンジェリンのファッションを熱弁する。「かなり派手に自己アピールする男なので、スリーピースで決めているんですが、スタイリッシュな反面、ちょっと成金趣味なんですよね。お金は持ってるけれど、使い方がよく分かってないみたいな(笑)。ピシッと決め込んだスーツが、物語が進むにつれてどんどん汚れて、破れて、着ているシャツも滅茶苦茶になったり、体のタトゥーがあらわになったり…そこからタンジェリンの歴史が垣間見えたりするという展開が実に面白いと思います」。