Sexy Zone・菊池風磨「束縛という考えが僕の中にはない」 縛られないという強み
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映画『もっと超越した所へ。』より (C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会
――今回、演じられた怜人はクセのある役どころでしたが、ご自身と比較すると…?
菊池:真逆ですね、真逆でありたいですね(笑)。怜人は8人のキャラクターのなかでも、1番共感できないです。自分のことを好きでいてくれる人に甘えちゃう気持ちはわかるんですけど、ヒモ、束縛という考えが僕の中にはなくて。怜人は全く自分にない発想、思考の人物だったので、演じる前は「難しいかな」って思ったんですけど、いざ本番迎えてみると、自分とは真逆だったからこそ、逆に演じやすかったです。もしかしたら自分と全然違うほうが演じやすいかもな、とも思いました。
――そんな怜人に菊池さんが感じる魅力は?
菊池:“かわいらしさ”みたいなところ…ですかね。人の懐にスッと入れて、まどろっこしくないところとか。いわゆるガツガツいく肉食系には見えないけど、実はちゃんと肉食系な感じというか…だからネガティブな心境だとスッと懐に入られちゃうから、危険な男だなとは思います。
――演じる際に難しかったことは?
菊池:怜人は、言い合いするシーンで謎のロジックでキレるんですよね(笑)。絶対に言っていることは破綻しているのに、それを100%正義だと思って相手にぶつけるんですよ。その異常な考えを、自分の本心であるかのように感情に乗せて相手にぶつけなきゃいけないっていうのは、怜人を演じるうえでの難しさでもありました。でも、それが怜人の一つの醍醐味だなと思っていたので、やりがいはありましたね。
映画『もっと超越した所へ。』より (C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会
――改めて、完成をご覧になっていかがでしたか?
菊池:面白いカットが要所要所で入っているけれども、観る方の集中を切らさずにちゃんと最後まで追っていけるというか…。展開も映像もすごく面白かったです。4組のカップルそれぞれに山場があって、そこはすごく面白みがあって、生々しさもあって、見応えがあるなと思いましたし、もう1回観たいですね。
――この作品では、人の弱さやダメなところも愛する…そんな部分が描かれますが、ご自身が自分や人を愛せるようになった心の変化ってありますか?
菊池:それがもう全然なくて。自分のことは一生甘やかして生きようと思っているんです(笑)。だから変化っていう意味では、ないですね。もうずっと大好きです、自分のことがかわいくてしょうがないです(笑)。
――(笑)。劇中でも登場人物が追い込まれる場面もありますが、ご自身が仕事で辛い時にどんなふうに乗り越えていますか?
菊池:寝ることですかね(笑)。いろいろな仕事をさせていただいて、良い悪い、両方の評価が出てくると思うんですけど、それがそんなに気にならないんです。寝ちゃえばあんまり覚えていないので、溜め込まないタイプですね。だから、仕事が辛くて…というのはないです。逆に仕事がないほうが辛いので、ある分には苦ではないです。
映画『もっと超越した所へ。』より (C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会
――今年もドラマや舞台、映画と芝居のお仕事が続いていますが、ご自身が感じる芝居の面白さは?
菊池:作品ごとによって全然違うところですかね。監督が10人いたら10人全員違いますし。それと、(主演した)舞台『DREAM BOYS』で演出の(堂本)光一さんに「(芝居が)ドラマっぽい」って言われたことがあったんです。舞台だともっと大きく演じなきゃいけないということなんですけど。そういうドラマや舞台、映画とか、ジャンルによる芝居の違いも面白いです。
――さまざまな芝居にチャレンジするなかで、ご自身の強みと感じる部分は?
菊池:僕自身、何かに限定してやっちゃうと身動き取れなくなっちゃう気がするんです。だから、いろいろと演じさせてもらっている、それが強みになっているというのはあるのかなと思います。(取材・文:齊藤恵)
映画『もっと超越した所へ。』は、10月14日より全国公開。
映画『もっと超越した所へ。』より (C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会