木村良平&小野賢章、兄弟役で「良かった」 重ねた共演で生まれた“唯一無二”の信頼感
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(左から)木村良平、小野賢章
――お2人とも子役から活動をはじめ、声優業でも第一線で活躍されているという共通点があり、共演も多いです。そこに対するお2人の意識というか、お互いにどんな関係だと思っていますか?
木村:現場にいるときは同僚かな。僕が賢章に「こうした方がいい」とか言うこともないしね。
小野:僕も同僚という感じですね。仕事が終われば良い先輩。ライバルという意識はないかな、と思います。本当に仕事仲間ですね。
――作中で登場人物は非常に困難な任務に従事することになりますが、これまでの俳優・声優活動でとても困難だと感じたことは?
小野:僕は20代前半ぐらいから舞台をずっとやり続けているのですが、あるとき本番が終わってから10日後にまた別の舞台の本番があるというスケジュールを組んだことがあったんです。そんなタイトなスケジュールなのに、前の舞台が終わった次の日にインフルエンザになってしまい、1週間しかない稽古のうち4日間休んで残りの3日間で仕上げないといけないことがあって…。本番直前のゲネプロまで、プロンプ(出演者にセリフや立ち位置などの合図を送るスタッフ)を入れてもらったことがありました。何とか乗り切ったのですが、それ以来、こんな無茶なスケジュールは組まないようにしようと身に沁みました(笑)。
木村:子役から大人になる境目のころ、一旦顔出しはやめたいなと思って事務所に言ったことがあったんです。でも芝居は続けたくて、声の芝居で…ということになったのですが、そのころ自分は子役だから評価されているんだという思いもあって。アニメが好きでめちゃくちゃ声優にも詳しくて、専門学校に行って勉強している人と競っても勝てるわけないと思っていた時期がありました。
小野:その気持ち、すごく分かります。
――どうやって乗り越えたのですか?
木村:アニメをたくさん見たり、声優さんがどんな勉強をしているのかを研究したり。でも結局は、自分がこれまでやってきた道を信じて進むしかないなと思って開き直った部分もありました。その結果、目標に至る道は1つじゃないという結論に達したことで、いままで自分が歩んできた道は間違いではなかったんだと思えました。
木村と小野のインタビューからは、同じ業界で切磋琢磨してきたことで生まれる信頼感の大きさを垣間見ることができた。弔兵衛と桐馬が本格的に登場する第4話以降は、息の合った兄弟の掛け合いに期待したい。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)
テレビアニメ『地獄楽』は、テレビ東京系ほかにて毎週土曜23時放送。