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『SPY×FAMILY』江口拓也の“仕事の流儀” 「作品に優劣つけず平等なエネルギーを」

アニメ

■「作品に優劣をつけない」という考え方

江口:声優という職業は、求められて初めて成立するものです。呼んでもらえてナンボの世界ですし、お声がけいただけたから作品に携わることができるわけですから、『SPY×FAMILY』に限らず全てに平等なエネルギーで毎回フォーカスしたいと思っています。

それでもやっぱり、たくさんの人に見てもらえて、今回のように劇場版が作られて――作品としての盛り上がりはとても感じています。劇場版のお話を聞いたのはSeason 1が終わった頃くらいでしたが、「早いな、もうそこまで行くんだ」と感じましたし、オリジナルストーリーだと聞いて驚きました。

僕らの役割は作品に声を当てることですから、要はマイク前で自分たちの仕事はもう終わっているんです。作品が世に出るときはどこか第三者的な感覚になっているのですが、この盛り上がりを見て「すごい作品に携われているな、ありがたいな」と改めて実感しています。


――声優としてのキャリアが15年を数えられましたが、お話しいただいた「粛々と行う」は、一貫されている信条なのでしょうか。

江口:声優という職業のシステムを言ってしまうと、主役でも、一言しかセリフのない生徒A役でもギャラは同じなんです。作品を背負うチームの一員として、声優として現場に呼ばれるというだけの話ですから。もちろん個々でいくらというのは違っていて、新人のころは大体一定なのが、徐々にギャラが変動していきます。ただ、個人間で変動しても作品によって変わることはありません。同じギャラをいただいている以上は出番に関係なくそれ相応の仕事をする、というのは我々の業界の誰しもが持っている部分ではないかと思います。

――その思考には、活動を始めてすぐ到達されたのでしょうか。

江口:そうですね。我々は月収いくらと決まっているわけではなく、各々が個人事業主です。それぞれ事務所に所属はしていますが、名前を置いてもらっているだけといいますか――新人の頃は事務所に所属していても仕事がなければ月収が0円で終わるような世界です。だからこそ、そういったお金周りのことは入ってすぐ知りましたし、先ほどお話ししたような「作品に優劣をつけずに平等なエネルギーを注ぐ」という考え方になりました。

ある意味、過酷なフィールドだからこそやりがいを感じますし、挑みがいがあるなと思えているので、やっぱり自分はこの仕事が向いていたんだと思います。

(取材・文:SYO 写真:小川遼)

 アニメ映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』は現在公開中。

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