堀ちえみ、舌がん完治し「無理だと思った」音楽活動を本格再開 病気を経て人生観に変化
デビュー42周年を迎えた歌手の堀ちえみ。2019年に発症した舌がんも懸命な治療の末、今年完治。精力的にリハビリに取り組み、17年ぶりの新曲「FUWARI」をリリース、さらにはライブ『CHIEMI STYLE 2024~Autumn~』を開催するなど、音楽活動を本格再開させる。闘病を経て、「1回しかない人生、生き方を変えてみよう」と思ったという堀が、新たな気持ちで取り組む歌への気持ちを語ってくれた。
【写真】アイドル時代と変わらないキュートさ! 堀ちえみ、撮り下ろしショット
◆風に吹かれるようにふわふわと生きていきたい 病気経て気持ちに変化
――2007年の「君といる世界」以来17年ぶりとなる新曲「FUWARI」が10月29日にリリースとなります。新曲制作のお話を聞かれたときのお気持ちは?
堀:この発語の仕方で、1から言葉を作っていくというのは無理だろうと思いました。ライブでは音が流れていきますが、レコーディングは記録としてそのまま残りますから、どう効果を施しても雑味とかそういう発音的な問題があるでしょうと。
そういう気持ちでいたのですが、音楽監督の白山さんが「やってみないと分からないからやりましょうよ!」とおっしゃってくださったんです。「ファンの皆さんも分かっているし、いつまで待っていても100%元には戻らないので、今で十分じゃないですか? ありのままの生き様をそのまま音楽として残しましょう」と。そこから話が進み、白山さんが曲を作ってくれて、私が詞を書きました。
――詞にはどんな思いを込められましたか?
堀:私はリハビリで日本語の美しさを改めて実感したんですね。でも日本語って美しいからこそ、ものすごく繊細な音作りをしないといけないので、とても苦労しました。どういう表現で、どういう美しい言葉で、と考えるととても時間がかかって。でも、最終的にしっくりこなくて…。
そこで自分が伝えたいことって何かと考えた時に、感謝の気持ちしかないと改めて気づきました。医療従事者の皆様、看護してくださった皆様、言語聴覚士の先生、ボイストレーナーの先生、いろんな方の支えがあってここまで復活できたのだから、その今ある命に感謝を伝えたいとなり、1コーラス目は今までの苦しい自分と対峙してきた思い、2コーラス目はこれからの自分へどうやって気持ちを持って行ったかということ、全体的には皆様に感謝の気持ち、そんな思いを詞に託そう、素直な気持ちを出そうと思ったら40分くらいで全部書き上げることができました。
――出来上がった曲を聴いてみていかがでしたか?
堀:本当にいい曲だなって(笑)。
私は今まで人生は一生懸命生きることが美徳だと思っていたんです。いろんな意味で自分を犠牲にしてでも一生懸命生きていくことが美徳だと。でも、病気を経験して、これからはそうじゃなく、風に吹かれるようにふわふわ~と生きていきたい、生き方を変えようと思ったんです。1回しかない人生だから、“自分が一生懸命”が美徳ではなく、“なるようになるさ”くらいの“ケセラセラ”な感じでふわふわと生きていきたい。タイトルの「FUWARI」にはそんな思いを込めています。