日野聡、キャリアを積む中で“演技の幅”に変化 守るべき存在ができ「より共感できるようになった気がします」
第33回ファンタジア大賞を受賞したライトノベル『魔王2099』がテレビアニメ化。10月12日よりTOKYO MXほかで放送スタートする。本作は、500年前に勇者に討伐された伝説の魔王、ベルトール=ベルベット・ベールシュバルトが未来都市・新宿に再臨し、新たな世界を支配すべく躍動する姿が描かれる。ベルトールを演じる日野聡は、魔王たる威厳を出す芝居について「昔なら意識していたかもしれないが、今は無理やり威厳を保とうと意識していない」と一言。さらに、「自分の立場が変わることによって表現する幅も変わってきた」と、キャリアを積む中での変化について語ってくれた。
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■最近の魔王に思うこと
――アニメの放送と出演が決まったときは、どんなお気持ちでしたか?
日野:アニメ化が決定する以前に、マキナ役の伊藤美来さんと原作のPVを収録したことがありまして。今回再び我々を呼んでいただけたのが、すごくうれしかったです。PVのときはポイント、ポイントでのセリフが多かったので、物語を通じてベルトールを演じられる喜びをかみしめています。
――改めて原作を読んだときの印象を教えてください。
日野:非常にエンタメ性にあふれた作品ですよね。王道なファンタジーの中に、配信者など現代やサイバーパンクの要素も組み込まれている世界観が面白いです。すごく緩急がついていて、見ている人を飽きさせない作品だなと思いました。
ベルトール=
ベルベット・ベールシュバルト(日野聡)(C)2024 紫大悟・クレタ/KADOKAWA/魔王2099製作委員会
――演じるベルトールの紹介をお願いします。
日野:非常に順応性の高い人物ですね。魔王という印象だけ聞くと利己的で、自分本位なイメージを持たれるかもしれませんが、彼は人の意見を聞く耳を持っていて、いろいろなものを吸収しようとする力もあるんです。配下や仲間にプラスになる動きを見せてくれるところも彼の魅力じゃないかな。恐怖ではない部分で配下の心を掌握する魔王ですね。
――日野さんの中では、魔王という存在は利己的で自分勝手というイメージがあった。
日野:僕が小さい頃に見てきた作品だとそういうイメージでしたね。倒されるべき存在みたいな。ただ、本作をはじめ自身が関わる作品の魔王は、それとは反対に位置するような気がします。「怖いのかな」と思ったら、「えっ、いい人じゃん、すごく格好いいじゃん」みたいな魔王が多いという印象がありますね。
――それは、完全な勧善懲悪ではなく、敵側にも視点が向けられる作品が今は多いというのも関わっているのかもしれません。
日野:多角的にいろいろな物事を見られる世界になってきたからこそ、本作を含めて、魔王に主軸を置いた作品も誕生しているのかもしれないですね。