timelesz・松島聡、「タイプロ」を経て人間&表現者として進化 メンバー愛も告白
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人間力を磨きながら、今の自分の持ちうるものすべてを注いで作品と役に向き合うのが松島流だ。そんな彼にとって、約10ヵ月にも及ぶtimeleszの仲間探し「timelesz project(タイプロ)」に打ち込んだ時間も宝物だ。
あらゆる人の魅力や本質を見つめる濃厚な期間となったといい、松島は「自分にとって、人間としての厚みを増してくれるような人たちに出会えた期間」だと感慨深げ。「その期間を通して、自分の至らない点や、むしろこれは自分の武器になりそうだなということも見えてきた。そこで得たものをグループ活動はもちろん、いろいろな表現の場においても生かしていきたいと思っています。得たものをいろいろな形で表現できる場所があるというのは、本当にありがたいこと」だと今の環境に感謝を込める。
インタビューでもどんな質問にもやわらかな笑顔とまっすぐな答えが返ってくるなど、誠実な人柄がひしひしと伝わってくるが、見えてきた自身の武器とは、「よくも悪くも、すべて100の力でやってしまうこと。100の力で向き合わないと、どんな仕事もできないタイプ。何事にも全力で手を抜かない」ことだと告白。「向き合いすぎるがゆえに、役においてもそこまで作らなくていいと思うようなことまで、作ってしまうんです。すると、それを削ぎ落としていく作業が大変になる時もあって。例えば『こどもの一生』ならば、自分が中島らもさんになって物語を書くとするならば……というところまで考えてイメージを作っていました」ととことん思考しながら、仕事に没頭している。
グループとしても大きな一歩を踏み出し、これからの道のりをまた新たに切り開いていこうとしている。松島は「仲間あっての自分。大人になるほど、苦楽を共にできるような、信頼できる仲間が増えていく」とニッコリ。
夫婦としてのあり方がテーマとなる本作にちなみ「理想の夫婦像」について聞いてみると、「僕は父子家庭ということもあって、自分の育ってきた環境にどこかコンプレックスがあって。そういったものが解消された夫婦でありたいというのが、正直な気持ちです。もちろん両親から受けた愛情、感謝は大事にしていますが、『ああしてほしかったな』というものを体現できるような、自分にとって欠けていたものを叶えられるような夫婦であれば、理想と言えるのかなと思ったりします」と思いを巡らせつつ、「また想像でしかありませんが、会話をしなくても一緒にいたいと思えるのが、夫婦なのかな」と回答。
「僕はそういった思いを、メンバーに感じていて。夫婦ってそれに近いのかもしれません。自分のすべてを知っている相手であり、こちらからなにも発さずともそばにいてくれるだけで安心できる存在。お互いにそう思えるのが、いい夫婦なのかなと思います」とメンバーを夫婦になぞらえて、愛情を傾けていた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
Bunkamura Production 2025『おどる夫婦』は、東京・THEATER MILANO-Zaにて4月10日~5月4日、大阪・森ノ宮ピロティホールにて5月10~19日、新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場にて5月24・25日、長野・サントミューゼ 大ホール(上田市交流文化芸術センター)にて5月31日・6月1日上演。
※蓬莱竜太の「蓬」は、「一点しんにょう」が正式表記