坂本昌行&増田貴久、ミュージカル初共演 「舞台人」として寄せるお互いへの信頼
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増田貴久
――名曲のオンパレードとなる本作ですが、楽曲の印象はいかがですか?
坂本:知っている曲もありますし初めて聴く楽曲もあるんですけど、初めて聴く曲ですらワクワクさせてくれる。それってすごいことですよね。音楽チームの方も言っていたんですけど、(音は)ドからドしかないのによくこんな曲が出てくるなって思います。
「White Christmas」は、逆に皆さん知っているからこそのプレッシャーがありますね。英語の歌詞を日本語で歌うっていう難しさもあるので、それを違和感なく届けられるようにしなきゃなと思います。
増田:この作品をやるってなった時に、「名曲がたくさんある作品だからね」と周りから言われたんです。「俺、名曲と言われるものをあまり知らないんだよな…」と思いながら楽曲をもらったところ、まあまあ知っていて安心しました。知ってる曲がたくさん出てくると安心するじゃないですか。ミュージカルに慣れていない人にも楽しんでいただけると思います。
――日本初演で届けることへの思いはいかがでしょうか?
坂本:(増田の思いを)聞いてみたいですね~。
増田: 僕も作品を知らなかったですし、僕をきっかけにこの作品を知る方もいてくれるかなと思うので、プレッシャーよりワクワクのほうが大きいです。この作品をもともと好きだった方にも、このバージョンもいいじゃんと思ってほしいですし、初めてやるんだったら観に行こうと思ってくれた人には、観た後に海外版のサントラを買うなどのきっかけになってもうれしいですし、楽しみが大きいですね。
坂本:有名な分だけ、曲を含め皆さんの記憶にあると思うんですね。『フットルース』をやらせてもらった時もそうだったんですけど、(多くの人が)知ってる曲、知ってる人物、知ってる作品をやる時ってプレッシャーを感じます。それぞれのお客様に思い出もあるし、「あの曲いいよね」「あれだからいいよね」って思われたら負けだなと。逆にプレッシャーを力に変えてやっているので、日本キャストの作品のほうがいろんなものが伝わってくるよね、楽しいよねと思われるようにやるだけです。演出のビルもブロードウェイ版とは別のものを作ると言っているので、ビルの頭の中を吸収してやるだけですね。
増田:……楽しみですって言っちゃったんですけど、すごくプレッシャーも感じています(笑)。「プレッシャーを感じながらも~」の体にしてください(笑)。
――最後に作品を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。
坂本:古き良きアメリカのミュージカル作品だと思いますし、この作品を令和の現代に初演でできるというのはワクワクしています。何よりもこの音楽を皆さんに届けられるのが非常に幸せなことなので、素敵な音楽を聴いていただいて笑顔になって幸せになってもらいたいと思います。
増田:『ハウ・トゥ・サクシード』をコロナ禍にやった時に、坂本くんが「みんな落ち込んでいる時にポップなコメディ作品があるといいよね」と言ってくださったのを覚えています。観に来ている時間が今年いちばん楽しかったなと思ってもらえるようなものを作りたいなと思っています。
坂本くんの背中をジュニアの時からずっと見させてもらって、後輩としてバックでつかせてもらいましたけど、一緒に歌ったり踊ったりするのは初めての経験。後輩として、1人の役者として、こんな後輩が育ちましたというのをちゃんと見せられるようにしっかり頑張りたいなと思います。
(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)
ミュージカル『ホリデイ・イン』は、4月1日~16日に東京・東急シアターオーブ、4月22日~5月1日に大阪・SkyシアターMBSにて上演。