松下由樹&野村康太、パワーワードあふれる狂愛サスペンスに体当たり ドラマならではの面白さに自信
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松下由樹
――今回は、おふたりが普段活躍されている業界のお話となりますが、やりやすさ、やりにくさはありますか?
松下:今回は芸能界のリアルな世界を求めないで、この『ディアマイベイビー』という物語、“THE ドラマ”“ドラマだからこその面白み”をメインでイメージしています。なので、やりにくい、やりやすいとはそんなに捉えていなくて、出てくる登場人物に向き合う面白さに集中していますね。きっとそのほうが作品も面白くなるんだろうなと感じています。
――役作りに参考にされたマネージャーさんなどはいますか? また恵子みたいなマネージャーさんがいたらいかがですか?
松下:恵子みたいな人が実際にいたら困ります!(笑) 愛情をもって役者を育てようとしてくれることはうれしいですし、ありがたいですけど、どなたもあんなマネージャーがいいとは言わないと思います(笑)。
お互いに「この人だ」「この方にお願いしたい」という関係が一番の理想ですよね。「この子はすごく素敵な人で、この世界に必要なスター、役者になるべき人なんだ」という思いはどなたも持ち合わせていることだと思いますし、恵子も「この子をスターにしたい」と思うんですけど、それが歪んでしまって…。マネージャーとしての入り口は間違ってなかったんですよね。
野村:僕は怒られるのがすごくイヤなので、ガミガミ怒鳴ってくる人はちょっと…(笑)。でもだからと言って、愛情を感じないと心配や不安になってしまうので、恵子ほどまでになっちゃうのはダメですけど、愛を注いでくれるのはうれしいなとは思います(笑)。
あと僕はマネージャーさんに頼ってしまうことが多いので、そういう時に、頼もしいというか助けてくれるマネージャーさんがいいです。
松下:恵子じゃん!(笑)
野村:頼もしいは頼もしいですけど、恵子は…(笑)。
ドラマ24『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』場面写真 (C)「ディアマイベイビー」製作委員会
――今回演じられるキャラクターに共感する部分はありますか? また役作りで大事にされたことを教えてください。
松下:恵子は共感しにくい人物なので、キャラクターや物語の強い部分だけじゃなく、ちゃんとそこに裏付けした気持ちが整っていることで、「こんなのありえないよ」ということが「あれ? あるかもな」「こんなこと起きたらどうなのかな?」と想像していただけるように作っていけたらいいなと思っています。リアルさへの共感というものではなくて、『ディアマイベイビー』というドラマへの没入感の中で、それぞれのキャラクターに共感してもらえたらうれしいですね。
演じるにあたっては恵子の「スターを見つけた」という思いと、「この子に懸けていく」という思いみたいなものはちゃんと持っておきたいです。あとは、歪んではいくんですけど、どこか純粋に拓人を愛していくような、心のすごい底に薄くある“ともしび”を消さないようにしたいです。
野村:拓人は新人俳優で、僕自身もデビュー3年とまだキャリアが長くはないので共感できる部分があります。お芝居を始めたばかりで何もかも分からず、恵子に言われたことをすんなり聞いてしまうところも理解できますし、劇中劇のシーンで拓人が緊張でガチガチになり「ダメだった…」と落ち込んでしまう気持ちもよく分かります。
拓人は小さいころに母親から愛されず、自分を必要とされない人生を送ってきたキャラクターなのですが、そんな時に自分のことを宝物のように扱ってくれる人と出会ったら、いくら過剰な愛情だったとしても依存してしまう部分もあるのかなと思いました。
お芝居では、恵子からどういう影響が及ぶのか、あまり事前に自分で考えることなく、その場で感じたものを大事に表現しようと思っています。