柚香光&早乙女友貴、“宝塚退団後初の芝居舞台”&“準劇団員”のふたりが語る「劇団☆新感線」の魅力

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昨年宝塚歌劇団を退団した元花組トップスターの柚香光。1歳半で初舞台を踏み、28年にわたるキャリアを誇る早乙女友貴。ともに圧倒的な存在感と演技力で舞台を華やかに彩る2人が出演する、2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』がいよいよ開幕。退団後芝居としては初の舞台出演で新感線の世界に飛び込む柚香と、6度目の新感線参戦で“準劇団員”とも呼ばれる早乙女に、本作の魅力を聞いた。
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◆柚香光、「新感線」初体験時に受けた衝撃
新感線の記念イヤーを飾る第1弾公演は、人と人ならざる者が生きる世界を舞台に、鬼をモチーフとした重厚なストーリーと、新感線らしい歌とダンスを交えて繰り広げるエンターテインメント作。演出・いのうえひでのりと作・青木豪がタッグを組み、これまでにない新たないのうえ歌舞伎、新感線流お伽噺を届ける。柚香、早乙女のほか、喜矢武豊、一ノ瀬颯、樋口日奈、粟根まこと、千葉哲也、鈴木拡樹ら、新感線デビュー組とおなじみの顔ぶれがそろった。柚香は貴族である源蒼(鈴木拡樹)の奥方で、ある朝、娘の藤(樋口日奈)と共に忽然と姿を消す紅子を、早乙女は、源蒼の家臣(喜矢武豊)を襲う鬼・栃ノ木を演じる。
――本作出演のお話を聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?
柚香:ワクワクとドキドキでいっぱいになり、とても興奮しました。初めて新感線の舞台を拝見したのは、『髑髏城の七人』。宝塚在団中に同期生から誘われて観劇したのですが、舞台に刀が突き刺さっていて、爆音で、お客様を刺すような照明でと、開演から衝撃を受けて! こんな始まり方があるんだ!と一気にテンションが上がったことを覚えています。お客様が新感線の世界に惹きこまれていくのを感じたんですね。かっこいいアクションの数々に合わさった音の臨場感、立ち回りの多さと迫力、何もかもに「うわー!!!」と圧倒されて、翌日まで目がギンギンになるくらいのインパクトでした(笑)。
――そんな新感線の舞台には欠かせない、“準劇団員”とも言われる早乙女さんですが、今回のオファーを受けてのお気持ちは?
早乙女:2023年の『天號星』以来の新感線参加となるのですが、それまで5年連続で出させていただいていました。新感線は1回出ると2~3年空くという、ルールじゃないですけどジンクスみたいなものがあったようで、その時も異例だと言われていたんです。今回こうしてお話をいただけてうれしい反面、ファンの方々に「またお前出るのかよ」と思われていないか心配になりましたけど(笑)、純粋にうれしかったですね。
(左から)早乙女友貴、柚香光
――青木さんが描かれる台本を読まれての感想はいかがでしょう。
早乙女:いのうえさんもおっしゃっていましたけど、すごく生々しい描写で人間と鬼が描かれています。それぞれが抱える欲や弱さ、そういったものにすごく心惹きこまれる台本だなと感じました。僕は青木さんの作品に出たいと思っていたので、青木さんの世界観というか、新感線にはないダークな生々しさが、いのうえさんの演出により新感線色が入ることで、どういった感じになるのかすごく楽しみですし、いつもの新感線と違った新たな色味が増えるんじゃないかと思いました。
柚香:鬼って一言で言っても怖い鬼から、優しい鬼、もの悲しい鬼といると思うんですけど、紅子の葛藤や苦しみなど抱えているものにすごく私は心惹かれました。彼女がこれまで一体どういう人生、人生って言っていいか分からないですけど(笑)、どんな生涯を歩んできたのか、いろんな想像を刺激されるお役です。自分がどうやって紅子を作っていくのか、すごくやる気に満ちて楽しみですし、気合十分です。
早乙女:僕が演じるのは簡単に言ったら“治安の悪い鬼”(笑)。スラム街にいるようなちょっと育ちの悪いような鬼なんです。鬼というと人から見るとどうしても悪い存在になると思うのですが、今回の物語では、鬼には鬼ならではの苦しみ、悲しみ、怒り、喜びがあるので、そうした葛藤が描かれます。はたして人間が本当に正義なのか、見る視点によって変わってくると思うので、そうした部分をいのうえさんがどういうふうに調理していくのかすごく楽しみですね。