上戸彩、15年ぶり写真集に不安も「等身大でかっこつけない生の上戸彩を届けたい」
――今年は俳優デビュー25周年を迎えられました。この25年の中で、ターニングポイントだったと感じられる作品はどの作品になりますでしょうか?
上戸:25歳の時に出演させていただいた、竹野内豊さん主演の月9『流れ星』ですね。初めて企画書を見せてもらって、やるやらないの判断を自分に任せられたのが初めての作品でした。それまでは目の前のお仕事を1つ1つ終わらせていくので精一杯だったんですけど、自分でやりたいって思ったお仕事ができたことで、そこから撮影現場での居方や視聴率が気になったり、みんなの意見がストレートに伝わってきてうれしかったり、その頃からお芝居の楽しさも知れたような気がしています。もちろん、『あずみ』や『金八』、『半沢直樹』など皆さんがたくさん目にしてくださった作品も転機になっているのは確かです。
――俳優業と子育ての両立でお忙しいと思いますが、俳優としての上戸彩さんと、お母さんとしての上戸彩さんの切り替えはストレスなくできていますか?
上戸:私はキャラが変わらないので、普段モード、仕事モードというのはなく、常にこんな感じなんです。だから逆に最近はスイッチを入れたくなってきました。今までは、普段とはギャップのあるような役は怖くて受けられなかったんですよね。家に帰ってママが暗い顔をしたり、イライラしたりしていたら嫌だなと思って、普段までひきずりそうな役や作品は受けられなかったんですけど、今だったらなんかできるような気もしていたり。すべてはスケジュール次第にはなるんですけど。
――お子さんたちは、お母さんのお仕事に理解がある感じですか?
上戸:仕事だったら、自分たちの気持ちで融通はきかないと分かっていますね。だからといって私の意志が強くならないように、子どもたちの顔を見るようには心がけています。
子どもがいると1日家を空けるということを私ができないタイプなんです。今回の写真集の撮影は家族も「いいよ、行ってきなよ!」って言ってくれましたし、子どもが3人になってできる気がしたんですよね。1人や2人の時は考えられなかったんですけど、子どもたちの仲がいいし、ママがいないさびしさも大丈夫なんじゃないかなと思えた瞬間があって。なるべく子どもたちにさびしい思いをさせないようにお仕事しているんですけど、あの時だから行けたんじゃないかとすごく思います。
子どもたち3人を「いってらっしゃい」って見送りたいし、できるだけ寝る時には隣にいるお母さんでいたいと思っているので、こんな制限のある私にお仕事をくださる方には本当に感謝ですし、自分の居場所を作っていただけるということにもさらに感謝するようになりました。協力してくれている家族にも感謝しています。
――今のお仕事と家庭のバランスは、上戸さんにとってすごくいいバランスなんですね。
上戸:とても心地いいです。育児もこんなに堪能させてもらって、大変ですけど楽しいし幸せだし、グデっとソファに横になって寝たい時もありますけど、そんな中でもお仕事に行くとリフレッシュできる。感謝と楽しさでいっぱいです。
(取材・文:渡那拳 写真:高野広美)
上戸彩写真集『Midday Reverie』は、宝島社より7月10日発売。
出演映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』が9月26日公開。