伊藤沙莉「自分の家族にも思いを馳せた」 家族への想い、結婚後の新たなやりがいを明かす【映画『風のマジム』インタビュー】
伊藤沙莉 (C)黒木早紀子
――本作の主演をはじめ、2024年は朝ドラ主演、2025年1月には劇作家の蓬莱竜太さんとの結婚も発表されて、この1~2年はご自身の中で公私ともに大きな転換期だったのかなと思ったのですが…。
伊藤:そうですね。いろいろなことが集中していました。
――そうした時期を経て、今はどのような心境で過ごしていますか?
伊藤:落ち着いたかなと思います。わかりやすいきっかけはないんですけど、朝ドラやこの作品の撮影が終わって以降、宣伝活動やCMなどはやらせていただいていますが、今、お芝居をあまりやっていないんです。家事とか、主婦っぽい一日を過ごしています。撮影が始まるとまた変わるんですけど、朝日で起きて真っ当な時間にご飯を食べ、真っ当な時間にお酒を飲み、真っ当な時間に寝るという人間っぽい生活をし始めると、人ってちょっと穏やかになるし幸せを感じるというか…犬も飼ったりしちゃって(笑)。だから、以前よりあまりそわそわしなくなったかもしれないです(笑)。
――家族をベースに生きている伊藤さんにとって、結婚して家族が増えたことでの変化はありますか?
伊藤:結婚は突然の発表だったんですけど、実は以前から一緒に住んでたんです。だから生活はそんなに変わってなくて、朝ドラの撮影中もだいぶ支えてもらっていました。でも、自分がちゃんと家事をし始めてからは、彼の人生や仕事を多少なりとも支える小さい柱にはなれているんじゃないかな、と。そう思って過ごしていることが、自分のやりがいになっている気がします。
夫が演出家なので、お芝居の相談を現場に行く前にしちゃうと、自分の中で若干「ずるいなぁ」という気持ちになってしまうんです。なので、撮影が終わってから、ある種“今日の日記”のように、その日の出来事を夫に聞いてもらっています。そうすることで次の日に繰り越さないようにしているんです。実家でも、自分がうれしかったこと、やってしまった失敗…家族に全部言わないと一日が終われないタイプだったんです。その聞き役を今は彼が担ってくれているので、すごくありがたいですね。それも穏やかに過ごせている一因なのかなと思います。
(取材・文:齊藤恵 写真:黒木早紀子)
映画『風のマジム』は、沖縄にて先行公開中。9月12日より全国公開。
映画『風のマジム』本ビジュアル (C)2025 映画「風のマジム」 (C)原田マハ/講談社