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広瀬すず、戦後が舞台の作品へ立て続けに出演 「自分にそのバトンが来たんだ」と衝撃

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■戦後が舞台の作品へ立て続けに出演 「自分にそのバトンが来たんだ」と衝撃

―― ところで、この作品は広瀬さんにとって、2015年の是枝裕和監督『海街diary』以来のカンヌ国際映画祭参加でしたね。10年ぶりのカンヌはいかがでしたか?

広瀬:映画というものは世界共通のコミュニティとして存在していて、そこに参加させてもらえることはすごいことだと改めて感じました。10年前は何も知らないまま行って、こういう世界もあるんだくらいの感覚でしたが、今回は10年前とは全然違う見え方でした。

カンヌは映画への愛情と熱量が高い空間で、特別な時間の流れ方をしていて、映画愛みたいなものが街全体や、そこに住む人々に満ちている。その熱量を全身に浴びるような経験は、日本ではあまりできないので、すごく刺激的でした。そうした場所で作品が評価されることの重みも感じましたし、世界中の人たちと映画という共通言語で繋(つな)がれることの素晴らしさを実感しました。


―― 広瀬さんは、映画『宝島』(9月19日公開)では1952年のアメリカ統治下の沖縄で、米軍基地から物資を奪う「戦果アギヤー」の一員・ヤマコを演じられています。終戦80年という節目の年に、こうした作品を立て続けに演じることについてどう思われますか?

広瀬:長崎、広島、そして沖縄と、戦争のことは授業で習ったり、テレビの特集や戦争映画で見たりした情報量しか私にはなかったんです。『宝島』でも戦後の沖縄の複雑な状況を演じて、改めて「知る」ことの大切さを感じました。そして、俳優として、作品を発信する側として伝える立場に立ち、「自分にそのバトンが来たんだ」と衝撃を受けています。

―― この作品を通して、伝えたいメッセージは何ですか?

広瀬:正直、戦争や原爆について、知識としては持っていても、私自身これまではあまり身近に感じていたわけではありませんでした。でも、この作品を通して、一人一人がきっと違う感情を受け取り、感じてもらえる作品になったと思います。答えはないからこそ、ぜひ見て知ってもらって、感じてほしい。

戦争を知る人がどんどん少なくなり、語り継いでいくことがどんどん少なくなっていく中で、まずは「知る」ことが大事だと私自身、強く感じています。広島・長崎の話、沖縄の話というよりも、日本の話、私たち自身の話として知ってもらえたらいいなと。共感してもらうということではなく、まず自分ごととして見て、触れてもらえたらいいなと思います。

(取材・文:田幸和歌子 写真:山田建史)

 映画『遠い山なみの光』 は公開中。

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