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『劇場版 呪術廻戦 0』緒方恵美×花澤香菜「一緒に逝こう」涙を誘った誓いの真実

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■「一緒に逝こう」幼さが紡いだ、結婚のような誓い

――作中には「愛ほど歪んだ呪いはないよ」という五条 悟の言葉がありますが、乙骨と里香の関係性を演じる中で、お二人が感じた“愛”や“絆”のかたちはどのようなものだったのでしょうか。

緒方:乙骨はたしかに里香ちゃんのことが好きなんです。でもそれは、大人の男女の恋愛感情というよりも、もっと幼い“好き”から始まっていると思います。彼は精神的にもまだ未熟で、「こんにゃく(婚約)」と言っちゃうくらい結婚という概念すら理解できていなかった。

男子って、女子に比べてどうしても成長が遅い部分がありますよね。だから最初の乙骨は、恋愛というより「大好きな友達」としての気持ちが強かったんじゃないかと。もし二人が共に成長していたら、それは自然と恋に変わっていったのかもしれません。

でも、物語の中ではそこで時間が止まってしまった。だから乙骨の“愛”は純粋であると同時に、とても幼いものなんだと思う。その未熟さが、呪いという形になってしまったのかもしれません。

緒方恵美
花澤:里香ちゃんにとっては、その“幼い好き”ですらかけがえのないものでした。彼女の家庭環境は決して恵まれていなくて、乙骨くんと過ごす時間こそが心の拠りどころだった。だからこそ、彼女は年齢以上に達観していて、彼の不器用な言葉や仕草に支えられていたんだと思います。

そして私自身も忘れられないのが、夏油 傑との最後の戦いの中で乙骨くんが言う「一緒に逝こう」というセリフ。緒方さんがあれを“結婚しよう”という気持ちで演じられていたと知ったとき、胸に深く刺さりました。

緒方:たしかにそう思ってでしたが、すごく重々しい覚悟を持って言っているというよりは、まだ何も分かっていないまま、その言葉をーーもちろん乙骨としては本気でそう思っているのですが、それは大人の決意ではなく、まだ若いがゆえの幼さから出た決意というか。

まだ理解が追いつかないまま言ってしまうからこそ、結果的に相手を縛ってしまう。たとえば、里香ちゃんが事故に遭ったときに「死んじゃダメだ、死んじゃダメだ」と必死に願う場面がありますが、それも同じで。

大人であれば、苦しんでいる友達を見たとき、「助かってほしい」と同時に「苦しんでほしくない」という気持ちも出てくると思うんです。でも乙骨は「死んじゃダメだ」と強く縛ってしまう。真っ直ぐで素敵なんだけど、そこに子どもらしさが表れていて……それが結果的に“呪い”になってしまったんじゃないかなと。

乙骨の愛はたしかに存在しているけれど、そのあり方はすべて幼い。思いやりが足りない(笑)。未成熟なままだからこそ、歪な形になってしまったのだと思います。申し訳ない。

花澤:でも、里香ちゃんにとっては、そこが愛しくて放っておけなかったんですよね。だからこそ、彼女はずっと乙骨くんを見守り続けたいと思っていたんだと思います。

花澤香菜
――そんな里香が「あんまり早くこっちに来ちゃダメだよ」と言葉を残して去る場面は、胸を締めつける別れの瞬間となり、多くのファンの涙を誘いました。

花澤:あれを言える里香ちゃんって、やっぱりすごい子だなと思いました。呪霊のときはあんなに真希ちゃんに嫉妬していたのに(笑)、本心ではずっと彼の幸せを願っていたんですよね。

アフレコ自体は短い時間でしたが、その限られた中に、こうしてインタビューでたくさん話せるほどの濃密な出来事が詰まっていた気がします。

漫画を読んでいるだけでは湧いてこなかった感情が、芝居や監督のディレクションを通じてどんどん広がっていって……本当に貴重な時間を過ごせました。緒方さんとご一緒できたこのタッグは、何より楽しかったです。

緒方:私も同じです。本当にありがたくて、幸せな現場でした。

花澤:だからこそ、こうして作品が復活上映で広がり続けてくれるのは、本当に嬉しいです。時間が経ってもまた多くの人の胸に届いてくれることに、感謝しかありません。

『劇場版 呪術廻戦 0』場面写真(C)2021 「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 (C)芥見下々/集英社
(取材・文・写真:吉野庫之介)

 『劇場版 呪術廻戦 0』復活上映は、10月17日全国公開。

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『劇場版 呪術廻戦 0』復活上演記念!緒方恵美&花澤香菜インタビュー

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