芦田愛菜、『果てしなきスカーレット』復讐に囚われるヒロインに体当たり「魂を吹き込むような強い気持ちで演じた」
映画『果てしなきスカーレット』場面写真 (C)2025 スタジオ地図
父を殺して王位を奪った叔父・クローディアスへの復讐を誓いながらも、それに失敗したスカーレットは死者の国を彷徨いつつ、改めて復讐を決意。狂気の世界とも言える場所で旅を続けながら、自らの心と対峙していく彼女の辿る道のりは、極めて壮絶なものだ。絶叫や号泣など激しい感情表現を要する役どころとなったが、アフレコではどのような取り組みがあったのだろうか。
芦田は、「映画の冒頭で、スカーレットが水を飲んでもどしてしまうシーンがあります。その場面ではスカーレットが生きている世界の厳しさを実感しながら、普段はとても出さないような声を発して。『スカーレットはこういうところで生きているんだ』と彼女に近づけたような瞬間がありました」と回顧。「どこか吹っ切れたというか、そこからは、魂を吹き込むような強い気持ちで演じさせていただきました」と清々しい表情を見せる。
「例えば“叫び”という表現においても、悔しい叫び、悲しい叫び、自分を奮い立たせるような叫びもあって。そういった苦しみの中で心がほぐれていく変化を表現することも、私の中で挑戦でした」とあらゆる作品に身を投じてきた芦田にとってもたくさんの新たな経験を果たす役となり、「彼女の苦しみや悩みというのは、家で思いを馳せているだけでは辿り着けないような部分もありましたが、思えばスカーレットも体当たりで自分を切り拓いていこうとしていて。私も体当たりでお芝居をすることで、スカーレットに近づけたような気がしています。そういった感覚もとても新鮮でした」と混ざり合うようにして、スカーレットを演じ切った。
映画『果てしなきスカーレット』場面写真 (C)2025 スタジオ地図
アフレコに臨む中で心強い存在となったのが、スカーレットと共に旅をする現代の日本人看護師である聖を演じた、岡田将生だ。
「岡田さん自身、ものすごく物腰が柔らかくて、優しく、本当に聖のような方」と印象を吐露した芦田は、「傷ついたスカーレットを、聖が手当てするシーンがあります。その聖の声には、スカーレットのことを心から心配している優しさがにじんでいて。スカーレットはそれを最初は突っぱねてしまうんですが、岡田さんと一緒にお芝居をさせていただいたことで、少しずつその優しさに包まれていくスカーレットの気持ちがよくわかりました」と感謝。「スカーレットと聖は両極にいるような存在ですが、聖がいたことで、その真逆にいるスカーレットはどのような感じなのだろう?と想像することもできました」と劇中同様、影響し合いながら歩むことができたと話す。

