中村倫也「汗をかかずにお金をもらうのが怖い」 “容易な成功”への抵抗と仕事の美学
K-POPの世界を舞台に、ある事情から業界を追放され、夢を諦めた過去を持つ天才音楽プロデューサーと、落ちこぼれボーイズグループ・NAZEが世代や国籍を越えて夢を目指すK-POP版“スポ根”ドラマ『DREAM STAGE』(TBS系/毎週金曜22時)。夢を追う若者たちの熱量に触発されるように、主演の中村倫也もまた、自身のキャリアと“働くこと”の意味を問い直していた。明確な目標を定め行動していた20代を経て、いま中村がたどり着いた、“汗をかかない対価”への違和感と、その深層にある仕事哲学に迫る。
【別カット】カメラマンも思わずニッコリ! おちゃめな表情を見せる中村倫也
■今の地上波に必要なのは――
本作は、国籍もバックグラウンドも異なる7人の青年たちで結成されたボーイズグループのNAZEが、音楽業界の頂点を目指す王道の青春ドラマ。中村が演じるのは、ある事情からK-POP業界を追放され、夢を諦めた過去を持つ元音楽プロデューサー・吾妻潤。一見つかみどころのない彼が、再び原石たちを磨き上げ、共に再起をかけて巨大な壁に挑む姿を描く。
地上波ドラマの枠組みを超え、物語の舞台は韓国にも広がる。近代的なビル群と歴史ある街並みがコントラストを成す異国の地で、撮影は敢行された。言葉の壁、文化の違い、それらが障壁となるのではなく、むしろクリエイティブな熱量へと変換されていく現場があった。そこには、近年日本のテレビドラマが置き忘れてきそうになった、泥臭くも眩しい王道の精神が息づいている。
「しっとりと染み込むような作品も、スリリングな展開も良いですが、地上波にはもっと多様なジャンルがあっていい。そんな中、汗と努力と友情を描く王道の青春ドラマが近年少ないと感じ、とても惹かれました」。
『DREAM STAGE』場面写真 (C)TBS
中村が演じる吾妻は、すべてを掌握する有能さと、周囲にいじられる隙を併せ持つ男だ。夢を追う若者たちを導く立場でありながら、彼自身もまた、挫折という傷を抱えている。だからこそ彼が放つ言葉には、セリフ以上の重みが宿る。「第1話で吾妻がNAZEのメンバーたちへ覚悟を問うシーンがあるのですが、あれはきっと、彼自身への戒めでもあるのでしょう。他人事ではなく、僕自身も深く共感しながら演じています」。
共に作品を作り上げるNAZEの面々は演技未経験で言語も異なる。そんな彼らとのセッションは、中村にとっても未知の刺激に満ちていた。「異国の言語でものづくりをする経験は、人生に残る大きな財産です。彼らは本当に気持ちのいい好青年たちで、当初は緊張感を持たせるために距離を置こうかとも考えたのですが、かわいくて無理でした(笑)。でも歌って踊るとバキバキにカッコイイ。彼らの持つ原石の輝きに負けないよう、おっちゃんもバレないように必死です(笑)」。

