鈴木亮平、“あっという間”のデビュー20周年 キャリアの中で一番大きな“リブート”は?
日曜劇場『リブート』場面写真 (C)TBS
――本作ではパティシエの早瀬と刑事の儀堂、真反対な性格をした2人の男を演じられます。1人2役に挑まれる上で大変だったことはどんなことでしょう。
鈴木:悪徳刑事と、その刑事に顔を変えたパティシエの2役を演じますが、パティシエの早瀬も刑事・儀堂を演じていくにしたがって、どんどんダークヒーローになっていくというか、ある種悪の道にも手を染めたりと自分が演じている役と自分の境目がだんだんとあやふやになっていく。1人2役という印象があまりないんですよね。
2役は2役なんですが、刑事の儀堂は1話でいなくなるので、そこからは(儀堂に顔を変えた早瀬の)1役。早瀬は、儀堂になりきらないと家族の元に戻れず殺されるかもしれないということで完璧になりきりますが、誰かを演じている人間という意味では、俳優に近いのかもしれません。
――そんな中で特にこだわられた点はどんなところですか?
鈴木:「今、素に戻ってます」「今、演じてます」とわかりやすく演技する方法もあると思うんですが、生き残るためには周りにバレないように必死に演じるはずなので観てくださる皆さんも騙せるくらい自然じゃないといけないですよね。なので“変える”ということはあまり意識しなかったです。
でもその中で、力が入りすぎてちょっと過剰にやってしまったり、逆に抑え目な演技をしたりという、演技初心者ならではの“こういうミスしちゃいがちあるある”みたいなものは楽しんで盛り込んだつもりでいます。

――顔は儀堂だけど、中身は早瀬というキャラクターを演じることがベースになると思いますが、早瀬という人物に共感する点はどんなところでしょう。
鈴木:早瀬は、家族の元に戻りたい、その1点のためにどんなことでもしていくというキャラクター。家族の元へ、元の生活へ戻りたいと強く思うところはすごく共感できます。
でも、実は早瀬は一番強烈なキャラクターなんじゃないかとも思っていて。一見善良な人間でまともなんですけど、究極の選択を迫られた時に家族のためならなんでもやるっていう選択ができるんですよね。早瀬自身も気づいていませんが、僕の解釈では実は刑事に向いているんじゃないかとも思います。悪い人たちに対してもやるとなったらやる男。一番遠いと思っていた人間が一番マフィアに向いていたっていう、『ゴッドファーザー』でアル・パチーノが演じたマイケルという役に近いイメージも持ちました。
早瀬は基本いい人なんですけど、それだけじゃ乗り切っていけないので、徐々に変わっていきます。最終話近くの早瀬は、「こんなこと言うようになって・・・!」みたいな(笑)。その変化にも注目していただければと思います。
日曜劇場『リブート』場面写真 (C)TBS
――儀堂に顔を変えた早瀬に手を貸す謎の公認会計士・幸後一香を戸田恵梨香さんが演じられます。
鈴木:戸田さんはいつも明るくて話しやすいというのもあるのですが、すごく知的な方で、脚本を細かく読み込んだことを現場で監督や僕にシェアしてくれるんです。コミュニケーションを重視して作ってくださるのですが、この作品にはそれが一番大事なことで。みんながみんな嘘をついていて、誰が味方で誰が敵か最後までわからないという状況の中、今はどういう状況で、自分がどういう嘘をついてるか、相手がどういう嘘をついているかを完全に理解して演じる必要がありました。そんな中でコミュニケーションを重視して理解しながら作っていくというところが、僕と似ているなとも感じましたし、戸田さんじゃないとあの役はできなかったなと思います。

